文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

塩ザケ 作り方は2種類

読者から「塩ザケが好きでよく食べます。でも、昔はもっと塩辛かったような気がします。スーパーで見ると、甘塩、中辛、辛口などと分かれているようですが、どんな基準なのでしょう。日持ちはどれぐらいしますか。値段が違うのはなぜですか」という質問をいただきました。

塩ザケは、冷蔵庫のない時代に保存食として生まれたものです。昔は日持ちさせるためにしょっぱくしていました。今は、消費者の好みに合わせて作るようになり、中にはしょっぱいものもあります。カレーのルーのように甘塩、または甘口、中辛、辛口と分かれ、塩分濃度が違います。といってもJIS基準ではありません。業界内の指標のようなものと考えてください。一般的に甘塩とは、身の塩分濃度が3%未満のもの、中辛は3%以上6%未満、辛口は6%以上10%未満、10%以上を激辛と言ったりします。本当にカレーみたいですね。

皆さんが見る機会はあまりないかもしれませんが、塩ザケは木箱に入っています。外側にはんこが押され、産地やサケの種類、塩分濃度、加工地、加工場、ブランド物の場合は商品名などが表示されています。 塩ザケには塩水に漬けるものと山漬けの2種類があります。山漬けとは、サケの身に塩を塗りこんでサケを山積みにする方式です。そうすると塩辛いサケになります。塩漬けにする場合、脂がのっている部分には塩がしみこみにくいのです。背はしみにくく、腹はしみやすいと言えます。

塩分濃度が3%だからといって「しょうゆをかけなきゃ」と思う必要はありません。そこそこしょっぱいからです。塩ザケにはいろんな種類がありますが、この辺で好まれている代表選手は紅ザケです。ほかに正月前後に登場する新巻きザケ、塩トキザケなどがあります。塩ザケは、しょっぱいものの方がやはり日持ちがします。冷蔵庫で1週間以上は大丈夫でしょう。

塩ザケはキロ単位で流通しています。保存食として生まれました

次に値段の違いについて説明しましょう。サケの身に塩分をしみ込ませると水分が抜けます。塩ザケは1匹いくらではなく、キロ単位で流通しますから、生で3kgというものは2kgになったりします。甘塩ほど目方は減りません。塩分濃度が高いとそれだけ目減りするので、1匹当たりの値段は上がります。同じ重さだとしたら、塩をたくさん使ったものの方が、価格が高いというわけです。

庄内浜も夏めいてきました。夏の始まりを予感させる漁模様となっています。メバルなど旬の魚が捕れ始め、定置網ではイナダやアジがたくさん揚がり、なかなかの大漁です。刺し身にしてたくさん食べてほしいと思います。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2007年5月25日付紙面掲載

トップページへ前のページへもどる
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field