文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

今おいしいアイナメ

お盆の時期を迎えました。鶴岡のお盆は7月です。でも、他県に住んでいる鶴岡出身者は、この時期に里帰りせず、8月に帰省して墓参りをするという人がほとんどだと思います。兄弟や親類、懐かしい仲間と会う機会が多いこの時期、おいしい地魚でもてなしたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

7月と8月は底引き網漁が休漁なので魚種は少なく、庄内のおいしい魚介類は限られています。お刺し身は貝類が中心になり、岩ガキ、サザエ、アワビなどはたくさん捕れていておすすめです。お魚の刺し身なら、前回で取り上げたキスやメバル、アイナメなど白身がおいしい時期です。でも値段もやや高くなっています。

ほかには庄内浜でもウニが若干捕れるので、運が良ければ地物のウニを召し上がることができるかもしれません。庄内のウニは結構おいしいです。ただ、みょうばんなどを使っていませんから、すぐに溶けてしまいます。うっかり市場にウニを忘れてしまった場合、1日おいていただけで溶けてしまうほどです。

鼠ケ関でバイガイ狙いのバイかご漁が操業中です。西バイや大バイの刺し身もいいと思います。西バイは北海道のツブ貝と似たおいしさ、大バイはこりこりとした食感です。マダイも小型のものから徐々に脂が乗ってきています。以上がお盆の時期、生で食べるのに適した海の幸です。

焼き魚に移りましょう。マダイのかす漬けやアマダイのみそ漬けがおいしいと思います。塩ふり焼きにするなら車エビとメバルをおすすめします。煮魚なら鶴岡でエンショウ(円正)ガレイと呼ぶマコガレイとナメタガレイ(アワフキ)。ただし、冷蔵庫で冷やして冷たい煮魚として食べてください。アワフキは冬の魚と思っている方も多いと思います。実は冬と今の時期の2回が旬で、身も厚くなっているのです。食べる直前に白髪ネギを添えると、「ひんやり感」が増し、よりおいしく食べられるかと思います。冷酒とぴったり合います。汁物にするならイガイ(笑貝)かニシ貝がいいでしょう。

今の時期においしいのはアイナメです。和洋中何にでも合います

この時期においしい魚はアイナメです。刺し身はもちろん、和洋中華のどの料理にも合います。かたくり粉をまぶして油で揚げ、中華風の甘酢あんかけにしてもいいようです。かつおだし仕立ての椀ものもおいしいですよ。 ツバイは小さな貝です。しょうゆで煮て、つまようじを使って殻から取り出して食べます。料理屋さんのお通しによく出てきますが、家庭でも簡単に作れます。お酒のつまみとしては枝豆に匹敵するだけの力量があるのではないでしょうか。ツバイは海底の砂の中にいるので、表面をたわしで洗ってきれいにしてからでないと、泥臭くなるので注意してください。紙数が尽きたようです。今回は長くなったので、2回に分けてお盆にちなんだ魚の話題をお話します。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2007年8月12日付紙面掲載

トップページへ前のページへもどる
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field