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飛島で揚がるメジマグロ

読者から「庄内産の魚は、首都圏などでどのような評価をされていますか。種類によっても違うでしょうが、県外ではどんなところに出荷されているのでしょうか」という質問をいただきました。

関アジや明石のタイなどというように魚の前に庄内の冠が付くというような有名な魚はありませんが、築地などの市場では扱い方がよいとは言われています。

暖流と寒流がぶつかり合ってここの海の魚はおいしい、などと言われるところがあります。庄内は全国的に見れば特徴のある浜ではありません。ただ、すごく細かい魚の選別をしています。日本海岸は太平洋側に比べて少人数で操業する小型船が多いので、漁獲量が少ないために丁寧な仕事ができると言えるかもしれません。

庄内浜で水揚げされた魚の7割が県外に出荷されていると言われています。では、どこに行くのでしょうか。築地に運ばれていくものもあれば、関西に出荷するものもあります。以前より範囲が広がったのは、交通の便がよくなったということもあるでしょう。由良や鼠ケ関など産地市場と呼ばれる庄内浜の市場では、水揚げされた魚の入札は午後5時くらいに始まります。ここで競り落とされた魚は、築地に代表される消費地市場へと運ばれることになります。でも翌朝の競りに間に合うのは金沢あたりが限度です。それより遠いところだと翌日になるため、鮮度はやや落ちることになります。評価はやや下がらざるを得ません。金沢や新潟は、庄内と同じ日本海沿岸なので、捕れている魚、食文化とも似ており、昔から庄内の魚が出荷されていたようです。

飛島では今、かなりの数のメジマグロが揚がっています

種類別に挙げてみると、以前に話題に出たサワラは大半が地元以外で消費されます。アンコウも残念ながらかなりの比率で県外に行きます。庄内ではマダラを食べるので、地元での消費量が少ないスケトウダラも県外に送られる魚と言えます。水揚げ量が多い時はアマエビも同様です。鼠ケ関で500箱揚がったとすると、地元で消費できるのは100箱余りです。庄内の魚は外から評価されているという面もあるし、地場で消費されないので、出荷されているというのも現状です。

庄内浜の状況についてお話します。飛島ではメジマグロがものすごく捕れています。大きさは8~9キロ台が中心です。2週間前は安値でしたが、先週はしけと重なり、かなり高値でした。サワラは徐々に減ってきています。カレイ類もクチボソからダイバへと移ってきました。ハタハタも天候がよければ、庄内の各港でかなりの水揚げがあります。大黒様を控えて一安心しているところです。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2007年11月21日付紙面掲載

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