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ヒラマサは高級食材

読者から「ブリに似たヒラマサという魚がおいしいと聞きました。魚屋さんでは見かけませんが、こちらでは捕れないのでしょうか」という質問をいただきました。

「ヒラマサが欲しい」という話は市場ではそうそうは聞きません。庄内ではあまり水揚げされない魚なので、注文も来ないのでしょう。捕れても1日に数本程度と少ないのです。ヒラマサは、大きいものでも体長1メートルぐらいです。ブリの仲間の中では頭も体も平たいので、ヒラマサと呼ばれるようになったそうです。ブリと一緒に並んでいればヒラマサと気付くかもしれませんが、一本だけ見ればブリと間違う人も多いと思います。ヒラマサは体が平たく、黄色の側線がはっきりしています。口の形にも特徴があり、ブリよりもなめらかで、ヒレも短いのです。

地物のヒラマサは最近、庄内では捕れていません。写真は山口県産の天然物です

庄内ではお盆ごろ、つまり8月ごろから定置網にかかり始め、10月ごろまで捕れます。それ以外の時期はめったに見ません。主に2~4キロのものが多く、一般的にサイズの大きい方が脂ののりがいいようです。やはり大型のものが価格も高いということになります。ブリと一緒の網にかかれば、ヒラマサの方が価格は1・5倍から2倍高いと言われています。旬の時期がブリと逆ということもあるでしょう。

料理は、ブリと同じような食べ方がいいかと思います。ただ、旬の時期が違うので、ブリ大根やブリしゃぶのような料理は避けた方がいいかもしれません。高級食材ですから、それ相応の食べ方をした方がいいと思います。刺し身はもちろん、カルパッチョなどの洋風料理、オイル焼きにしてバルサミコ酢ソースや赤ワインソースをかけるという食べ方はいかがでしょう。夏野菜を使ったトマト煮もいいです。和風料理なら塩味の酒蒸し、ホイル焼きにして柑橘系をしぼって食べるというのもおすすめです。脂がのっている魚は一般に傷みやすいので、食べきれないと思った時にはしょうゆ漬けやみそ漬け、塩をまぶすなどの保存のための処理をしてください。

ヒラマサはブリと同じで回遊魚です。お盆の時期はイナダやブリと同じ網にかかります。でも、ヒラマサの割合は30匹に1匹程度にすぎません。国内の分布をみると、北海道以南で捕れ、一般にブリより南の海域にすんでいます。

ヒラマサは脂ののりがよいことに加え、身も締まっています。すし屋さんでは白身に分類しているそうです。最近は養殖物も少し出回っています。庄内ではおいしい時期に捕れるので、旬をイメージさせる新たな魚になるかもしれません。

(鶴岡水産物地方卸売市場手塚商店専務・手塚太一)
2008年7月3日付紙面掲載

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