2025年(令和7年) 1月10日(金)付紙面より
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鶴岡市の竹の露酒造場は敷地内に、約370年前の蔵を改装した「蔵SHOP」をプレオープンさせ、訪れた人に日本酒のおいしさや楽しさを伝えている。1日付で代表社員となった相沢こづえさんは「ノスタルジックな雰囲気の中、ここでしか味わえない時間を楽しんでほしい」と話している。
1858(安政5)年に同市羽黒町猪俣新田で創業した同社は、庄内産米100%と地下300メートルからくみ上げた水、そして地元の人たちで造る“地讃地匠”にこだわった酒造りを行ってきた。今回改装した蔵は、羽黒地域手向で酒造りを行っていた宿坊を120年ほど前に移築したもので、以前はここで酒を仕込んでいた。その後、資材置き場や作業場として利用されてきたが、この歴史ある建物を残すとともに日本酒をPRする場にしようと保全改築、昨年6月に完成した。1階が「白露垂珠(はくろすいしゅ)」など約30種類の日本酒の販売や試飲、コラボ商品を販売する蔵SHOPで、奥が発送準備などを行う作業場、2階は日本酒を活用したイベントなどに利用できる広間となっており、酒造りの工程などが分かるプロモーションビデオの上映も行っている。
試飲コーナーでは、同社の大吟醸や純米吟醸など12種類がそれぞれ1杯100円で味わうことができるほか、冷凍ショーケースを備え、マイナス30度で凍結させたシャリシャリで新食感の凍結酒、酒かすなどを使ったスイーツやピザなども販売している。14日には、白露垂珠のジェラート2種も新発売される。
昨年12月にはユネスコの無形文化遺産に「伝統的酒造り」が登録され、日本酒への注目も高まっている。相沢さんは「登録を追い風に、日本酒の良さを地元の人はもちろん国内外に発信していきたい」と話している。
グランドオープンは今春の予定。営業は平日の午前9時から正午までと、午後1時から4時まで。問い合わせは同社=電0235(62)2209=へ。