2025年(令和7年) 5月21日(水)付紙面より
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庄内町の大地主として栄えた奥山重右衞門家に伝わる品や同町出身の日本画家・故太田義一氏(1891―1937)の作品を紹介する「館収蔵コレクション展」が、同町の亀ノ尾の里資料館で開かれている。
奥山家は旧大和村古関(現・庄内町古関)の大地主。代々肝煎や総代人などの要職を務め、当主は代々重右衞門を襲名した。史料が残る1924(大正13)年では、奥山家の所有する田畑は計104町5反歩(約104ヘクタール)、小作人96戸とされている。7代目は村会議員や郡会議員を務め、8代目は大和村村長に就任。9代目も村会議員、村長、農会長などを歴任した。災害復旧や困窮者支援、教育振興などに努めた。一方、太田氏は旧狩川村小野里(現・同町小野里)生まれ。荘内中学卒、東京美術学校日本画科卒。1919年帝国芸術院展入選など入賞多数。37年10月に死去した。
今回は同館が所蔵する奥山家に伝わる絵画を中心に太田作品8点など日本画計20点を展示。鶴岡高町(現・鶴岡市山王町)出身の真島北光作の「春禽」は花の枝にとまる小鳥を描いたもので、得意とした花鳥図。太田氏作の「砕氷捕魚」は厳冬期の漁業を描いたもので叙情的な美しさを感じる作品。展示は7月13日まで。