2020年(令和2年) 6月28日(日)付紙面より
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出羽商工会(上野隆一会長)と庄内農業高校(加藤千恵校長)などは、昨年に実施して好評だった「庄農うどん大作戦!」を、今年は9月から10月にかけて実施する計画を進めている。同校「うどん部」の生徒たちが作る「庄農うどん」を学校周辺の鶴岡市藤島地域の飲食店で提供するもので、今年はキャリア教育の要素を強め、うどん部の生徒が参加店でメニュー開発やプロモーションに携わる可能性を探るなど、より多角的に展開する構想だ。
庄農うどんは、食品加工を学ぶ生徒が授業の一環で製麺し、学校祭や地域のイベントなどで限定販売してきた。「こしがあり、のどごしも良い」などと好評だが、普段は食べられない「幻の名産品」となっている。
これに目を付けたのが同校OBで、藤島地域在住者でもある出羽商工会の上野会長。学校の知名度アップや地域活性化につなげようと、2018年から同校や同校地域連携協議会(佐藤智信会長、事務局・市藤島庁舎)、出羽商工会藤島支所の産学官連携で活用を模索。同年にはうどん部(正式名称・農業部食品加工班)を立ち上げ、昨年6―8月には「庄農うどん大作戦!」と銘打ち、藤島地域の6店舗で土・日限定で庄農うどんを使った天麦やサラダうどんなど各店オリジナルメニューを提供、全店を巡る人も現れるなど好評だった。
計画では、今年の大作戦は、新型コロナウイルスの影響で学校のスタートが遅れたこともあり、9月初旬から10月中旬ごろにかけて実施する。昨年は完売が相次ぎ「食べられなかった」という人も多かった反省から、提供日を金・土・日の週3日に増やす。新たに生徒のメニュー開発やプロモーションへの参画を探るほか、参加店を巡るスタンプラリー、出羽商工会が新型コロナ対策で実施する地元特産品の詰め合わせ「出羽ふるさと応援便」への活用、品質向上を図るための来店者アンケートなども検討している。
同校によると、今年のうどん部員は、昨年からの2年生4人に、新入部員14人(1年生10人、2年生4人)が加わり計18人。中には「大作戦に参加したい」と意欲満々で入部した生徒もいるという。
東北公益文科大の後援会長も務めている出羽商工会の上野会長は「生徒がメニュー開発やプロモーションにも関わることができれば、大きな教育効果が期待できる。地域の活性化や、学校の知名度アップで入学者増にもつながれば」と期待している。