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2006年(平成18年) 12月22日(金)付紙面より

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ドップラーレーダー設置 特急「いなほ」脱線事故受け 局地的な強風観測

 死者5人、重軽傷者32人を出した庄内町榎木のJR羽越本線特急「いなほ14号」脱線・転覆事故について、JR東日本は20日、西よりの強風が事故原因との見方が強まっていることを受け、局地的な強風を観測できるドップラーレーダー1基を事故現場近くのJR余目駅に設置する方針を明らかにした。本年度内に設置し試験運用を経て実用化を目指す。同社によると、鉄道事業者としては全国初の設置になるという。 発生から1年が経過するのを前に東京都内の同社ビルで、同事故発生時に現地対策本部長を務めた小倉雅彦常務らが会見し明らかにした。

 ドップラーレーダーは、電波を発射し反射波の伝搬時間と反射強度から雨雲の位置と降水量を検出する気象レーダーの機能に加え、ドップラー効果を利用し雨粒や雨雲の移動速度を検出する。間接的に風の状況が把握でき局地的な強風を観測することが可能になる。一部空港や気象庁で導入している。

 小倉常務によると、今回設置するレーダーで半径約30キロを観測でき、庄内沿岸部をほぼカバーできるという。設置費用は約1億円。委託を受けた気象専門会社が観測し強風の進路を予測。連絡を受けた段階でJRが運行を規制するもの。「これで得られるデータに、さまざまなデータを組み合わせることで精度をさらに高めていきたい」(小倉常務)という。

 このほか、今後の安全対策として小倉常務は、上空の風況や地形などに基づき運転規制区間の妥当性を確認するため、「強風マップ」の年度内の作成を挙げた。

 また、強風による運転規制に伴う輸送影響を緩和するため、JR羽越本線あつみ温泉―小波渡駅間など管内16の区間で今月から運用を開始した強風警報システムを、27日からは事故現場を含む同本線北余目―砂越駅間にも導入すると発表した。

 同システムは、連続風速観測データから、列車が運転規制区間として定めた駅間を通過中に発生する可能性のある風速の最大値(予測最大風速)を予測し、規制値を越える場合には運転規制を行う。

 小倉常務は、これまで同社で取り組んできた強風対策費用が約100億円に上ることを明らかにした。内訳は防風柵設置(最上川第2橋梁など11カ所)に55億円、風速計設置(在来線271カ所、新幹線60カ所)に40億円、その他5億円。

 小倉常務は会見の冒頭、「発生から1年を迎えるにあたって、亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、事故に遭われた方、遺族・家族の皆さんに対し深くおわび申し上げる」と、あらためて謝罪した。

会見する小倉常務(右)。左は同社の牛島雅隆安全対策部長
会見する小倉常務(右)。左は同社の牛島雅隆安全対策部長



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