2008年(平成20年) 7月18日(金)付紙面より
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大きいよ―。酒田市の天真幼稚園(齋藤善明園長)の年長児86人が16日、近くの老人保健施設「明日葉」が管理する農園「明日葉ファーム」で芋掘りに挑戦した。
同農園は約5アールの広さで、同施設職員の齋藤孝治さんが管理。トウモロコシやネギ、ニンジンなどとともに、男爵イモを植えている。今回の芋掘りは、園児たちとお年寄りの触れ合いを深めてもらおうと、同施設が企画した。
齋藤さんによると、今年の男爵イモは4月に定植。以来、水かけや雑草取りなどし大切に育ててきた。「雨不足で収量は例年の3分の1程度。玉の伸びも良くない」(齋藤さん)という。
この日は園児たちと同施設のグループホームを利用しているお年寄りが参加。園児たちは、齋藤さんからお手本を見せてもらった後、土を掘り進め芋を見つけては「見て、大きいよ」と、お年寄りたちに話し掛けていた。
青空が広がり強い日差しの中、約300キロを収穫。「おすそ分け」として園児たちは1人3個ずつ自宅に持ち帰った。
天真幼稚園の園児たちが芋掘りに挑戦した
2008年(平成20年) 7月18日(金)付紙面より
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東北公益文科大学後援会(新田嘉一会長)の総会記念講演会が16日、酒田市の同大公益ホールで開かれ、「世界が求め、地域で役立つ人材像とその育成」をテーマに、慶應義塾長の安西祐一郎氏が講演したほか、公益大卒業生を採用している経営者らがパネルディスカッションした。
安西氏は慶應義塾大工学部を卒業し、同大理工学部長、同大学院理工学研究科委員長を経て、2001年から塾長。同時に学校法人慶應義塾理事長、慶應義塾大学長を務める。文部科学省中央教育審議会大学分科会長も務め、「高等教育機関が担うべき人材育成」について造けいが深い。
この日の講演会は、公益大が開学当初から慶應義塾大の支援を受けている縁で、安西氏を招き開いた。後援会関係者や大学の理事、学生や一般市民など約500人が聴講した。
第1部は安西氏が講演。安西氏は明治時代を中心に「公共」「公益」に尽くした人物として、北里柴三郎(日本の免疫学の父)や犬養毅(普通選挙法を実現)、松永安左エ門(電力供給の基礎を築く)など科学者、政治家、実業家などの功績を紹介した上で「明治時代に新しい産業を興した人の中には、中央だけでなく地方で生まれた人もいたことを知ってほしい」と語った。
公益については「いろいろな意味、やり方がある。ただ、やはり人によって決まり、だからこそ公益大の人材育成が大事。自分の利益だけのために働く人ではなく、『公』のために尽くしていく人を育ててほしい」と公益大にエールを送った。
「公益」の人材育成について講演した安西慶應義塾長
2008年(平成20年) 7月18日(金)付紙面より
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湯野浜方式のエコ活動を全県に広めよう―。旅館業の若手で組織する県旅館生活衛生同業組合青年部の「エコに関するセミナー」が16、17の2日間、鶴岡市の湯野浜温泉街で行われ、地元メンバーが湯野浜地区で今夏展開している環境活動を紹介した。
湯野浜温泉旅館協同組合青年部を中心に組織するまちづくりグループ「湯の浜100年株式会社」(筒井重浩代表)は6月14日から今月18日の期間、おもちゃ自動販売機“ガチャガチャ”を使ったビーチクリーンアップのエコ活動を実施している。
中心部の観光案内所前に設置した“ガチャガチャ”2台に、特製の「燃えるごみ用」と「燃えないごみ用」2種類のビニール製ごみ回収袋を黒いガチャボールに入れて別々に収納し、それぞれ1個100円で販売。購入者は、湯野浜海岸でごみを拾い、袋に半分以上入れて購入先に持って行くと、1個300円で販売されている「湯野浜アイス」と無料で交換できるという企画。
ガチャボールには湯野浜温泉の旅館宿泊券が当たる抽選会の参加カードも入っており、キャッチフレーズは「100円で出来るエコ・特典」。
セミナーには、県内各地から約30人が参加。湯野浜地区のメンバーからエコ活動の状況について説明を受けたほか、現地視察やガチャボールの回収袋を使った海岸清掃などを実体験した。
湯野浜地区の青年部メンバーらは「同じ観光産業に従事している全県の仲間に、われわれの取り組みを紹介してエコ活動を広めたかった。理解は得られたと思う。ガチャボールを買ってごみを回収すれば、来訪者もすがすがしい気分が味わえるはず」と湯野浜方式のエコ活動への手応えを得た様子。一方、ごみ回収袋と宿泊券抽選参加カード入りのガチャボールの売れ行きについては、「18日の期限が終わったら販売金を回収することになっていて、今はまだ分からない。売れてはいるようです」と話していた。
ごみ回収袋を販売している湯野浜観光案内所前のガチャガチャ