2019年(平成31年) 3月1日(金)付紙面より
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鶴岡市で読書を通したまちづくりに取り組む市民団体「読書のまち 鶴岡」をすすめる会(黒羽根洋司代表)は、昨年発行した「まちじゅう図書館マップ」の完成を祝うとともに、さらなる活用と充実を図ろうという交流会を25日、同市の鶴岡まちづくりスタジオDadaで行った。
同会は「読書でまちを元気にしよう」と2011年に発足。3年ほど前から活動の一環として、どこでも誰でも本と出合える環境づくりに役立てようと、市内で図書を置いている施設のマップ作りを計画。情報収集から始まり、施設へのアンケート調査や掲載の承諾取り付けなどを行った上で、掲載する施設の取材や写真撮影などを行い、3000部を印刷。昨年10月に掲載施設や、観光案内所など人の集まる場所に設置。さらにスタンプラリーもスタートさせた。これには2カ年にわたり「荘内銀行ふるさと創造基金」を活用した。
掲載したのは市立図書館や地区公民館、コミュニティセンター、児童館など公共施設のほか、飲食店や医院、旅館、私設文庫など60施設。官民の施設が一堂に掲載されたものは珍しいという。
今回行われた交流会は、会のメンバーと掲載された施設の代表などが集まり、マップの利用状況を把握するとともに、継続して活動していくためのアイデアなどを出し合おうと、マップ作成に関わった女性メンバーが中心となって企画。マップ掲載施設の担当者やスタンプラリー参加者、すすめる会の理事ら30人余りが参加。全体を5つのグループに分け、出された発言を次々と付箋に書き込み、大きな紙に貼っていくブレインストーミング方式で行った。
参加者からは「マップを見て、初めて来てくれた人がいた」「置く本を季節や行事に合わせて変えていければ」「フェイスブックなどで情報発信」「空き家を利用してリサイクル本などを集積し、マップ掲載施設に貸し出す」「ミステリーツアーの開催」などの感想やアイデアが出された。
また、「気付いたら身近に本があるという環境が理想だが、マップの完成は、そうなるための第一歩だと思う」「このような会を持つことに意義があるので、継続して行ってほしい」などの意見もあった。
すすめる会では、アイデアなどが書かれた付箋をテーマごとに分けて分析し、今後の活動に生かすという。黒羽根代表は「これらをもとに、さらにバージョンアップさせ、愛されるマップを作りたい」と話していた。