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2020年(令和2年) 8月12日(水)付紙面より

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幻想的な世界が魅了 酒田市升田 名瀑「玉簾の滝」ライトアップ

 酒田市升田の名瀑「玉(たま)簾(すだれ)の滝」で、恒例のライトアップが行われ、幻想的な世界が行楽客たちを楽しませている。

 玉簾の滝は約1200年前、弘法大師が神のお告げで見つけ、命名したといわれる。落差約63メートル、幅約5メートルで落ち口から滝壺まで垂直に落ちる「直瀑」としては県内随一の規模を誇っている。このライトアップは升田区自治会(池田善幸会長)が2000年夏から地域の魅力を発信しよと実施している。

 8日にスタートしたものの、連日の雨降り。ようやく晴れた10日夜は午後6時半ごろから、家族連れらが次々訪れて駐車場はあっという間に満車。水銀灯が周囲の木々を照らし、緑色の深海に潜り込んだような幻想的な雰囲気の中、雨で水量を増した滝は圧巻。行楽客は滝壺近くまで足を運び写真に収めていた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、行楽客が密集・密接しないよう、同自治会は今回、行き帰りの遊歩道を一方通行化。また、老朽化した照明機器の更新、駐車場から滝までの遊歩道(延長約300メートル)の整備のため、来訪者1人につき100円の協力金を任意でお願いしている。

 池田会長は「コロナ禍の中、ひと時でも大自然の雰囲気を味わってもらえたら」と話した。ライトアップは16日(日)までで連日、日没から午後9時ごろまで。駐車場脇では住民による「産直ららら」も営業している。

水銀灯が周囲の木々をも照らす玉簾の滝のライトアップ=10日午後8時ごろ
水銀灯が周囲の木々をも照らす玉簾の滝のライトアップ=10日午後8時ごろ


2020年(令和2年) 8月12日(水)付紙面より

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戦争の悲惨さ訴え恒久平和願う

 今年で戦後75年―平和の尊さを再認識し、二度と惨劇を起こさない誓いを新たにしようと10日、「鶴岡市平和都市宣言記念の集い」が同市中央公民館で開かれた。市内在住の被爆者による凄惨(せいさん)な戦争体験の語りや、地元高校生による平和の詩の朗読などを通じて会場が一体となり、恒久平和を願った。

 旧鶴岡市が合併前に行った平和都市宣言をきっかけに、平和の尊さを考えてもらおうと1987年から毎年、戦争資料の展示などを行ってきた。戦後75年を節目に捉えた今年は、昨年立ち上がった有志らの強い思いで資料展示だけにとどまらず音楽演奏、詩の朗読も交えることでより同宣言の周知を図り、市民の胸に刻んでもらおうと大規模な集いとなった。

 この日は会場に約160人が詰め掛け、主催である同市を代表して皆川治市長も出席した。集いでは初めに鶴岡市平和都市宣言を参加者全員で唱和。続いて同市の藤島中学校令和元年度卒業生の有志31人が、みんなで考えた戦争の悲惨さや平和への思いをつづった詩を朗読。同中では平和学習を兼ねて沖縄県へ修学旅行に行っており、現地で詩の朗読を行うことが恒例となっている。詩では沖縄での地上戦に巻き込まれた学生たちを思い、今の「当たり前」の生活がいかに大切か、二度と戦争を起こしてはならないなどと会場いっぱいに響き渡るよう力強く訴えた。

 また15歳の時に広島県で被爆した、同市の洋画家・三浦恒祺(つねき)さん(90)による講話では、爆心地から4キロほどの地点で身に突き刺さるような鋭い閃光(せんこう)を浴び何が起きたのか分からず困惑したという原爆投下直後の様子から時系列で記憶をたどった。三浦さんは焼けただれた人たちに水を求められたが何も持ち合わせていなかったことを振り返り、「あの時、一滴でも水を持っていれば良かったと今でも思う」と自身の中でいまだに続く「戦争」を語った。

 ほかにも市内の朗読集団による茨木のり子などの詩の朗読やハープと二胡(にこ)で「さとうきび畑」の演奏、新型コロナウイルス感染拡大を懸念して映像出演となった鶴岡北高校音楽部による「花は咲く」の合唱も披露された。

藤島中学校の卒業生が平和を訴えるオリジナルの詩を朗読した
藤島中学校の卒業生が平和を訴えるオリジナルの詩を朗読した

鶴岡市の洋画家・三浦恒祺さんによって被爆体験が語られた
鶴岡市の洋画家・三浦恒祺さんによって被爆体験が語られた



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