2020年(令和2年) 12月25日(金)付紙面より
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若者の国民年金加入促進に向け、酒田市の東北公益文科大学(神田直弥学長)で年金について学ぶ3年生10人が制作した動画「国民年金通販」が、厚生労働省主催「令和の年金広報コンテスト」の動画部門で最高賞の厚生労働大臣賞を受けた。昔話を通して老齢、障害、遺族の各基礎年金に関する知識を深めていく内容で、昨年に続き2年連続の最高賞。動画共有サイト「YouTube」内にある同省「MHLWchannel」で閲覧できる。
同コンテストは、次世代を担う若い世代と共に年金について考えていくことを目的に同省が昨年度から始めたもの。若年層の国民年金未加入・保険料未納が社会問題となる中、阿部公一公益大教授(年金教育、社会保障論など)のゼミ生は2016年度から「国民年金加入行動啓発プロジェクト」と銘打ち、若年層に国民年金の「自分ごと化」を促すための動画を制作して共有サイトにアップしている。昨年度はクイズ形式で年金に関する学びを深める動画を制作し同コンテストに応募、厚労大臣賞を受けて加藤勝信大臣(当時)から直々に賞状を受けている。
本年度は、阿部教授のゼミを履修している3年生10人が企画・構成・演出・撮影・出演を分担し、年金に関する動画を計2本制作し、同コンテストに応募。審査の結果、最高賞の厚労大臣賞に決まり、コロナ禍のため授賞式は中止となり先月末、賞状が届いたという。
今年の作品は、老齢、障害、遺族の各基礎年金に関する知識を深めるための▽アリとキリギリス▽赤ずきんちゃん▽猿カニ合戦―の3話の昔話をデジタル紙芝居形式で上映、さらに「これらが全部付いて本年度は月々1万6540円」と通販のような流れにし、堅いイメージがある年金をかみ砕いて理解できるようにしているのが特長。
監督、出演を担当した正木詩音さん(20)は「意気込んで制作した。国民年金に加入することで安心感が得られるという点を強調したかった。認められてうれしい」と話した。
一方、同コンテストポスター部門に出品した阿部教授の作品は、企業年金連合会理事長賞を受けた。「本年度前半のオンライン授業で活用するため制作したもの」(阿部教授)という。