2022年(令和4年) 11月2日(水)付紙面より
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鶴岡市教育委員会は31日、地方の文化向上に尽くした個人、団体に贈る高山樗牛賞を発表した。本年度の樗牛賞は該当者がなかった。小中高校生を対象とした奨励賞は、小中学生の部が酒田市の亀ケ崎小6年の齋藤里恋(りこ)さん(12)と鶴岡市の朝暘二小6年の齋藤文音(あやね)さん(12)、高校生の部は酒田東高3年の若生真衣(まい)さん(17)がそれぞれ選ばれた。授賞式は21日に同市のグランドエル・サンで行われる。
樗牛賞は、歴史小説「滝口入道」などで知られる庄内が生んだ明治の文豪・高山樗牛(1871―1902年)の偉業を顕彰し、地方文化の向上を目的に出身地の同市教委が1958年に制定した。今回で65回目を迎えており、樗牛賞の該当者なしは4年ぶり9回目。
齋藤里恋さんは童話「鬼ガラス」を創作。主人公のカラスが友情や人と交わることの大切さを知り、成長していく姿を描いた。昨年のENEOS童話賞小学生以下の部で優秀賞を受賞しており、豊かな表現力と構成力が高く評価された。
齋藤文音さんはコロナ禍を機に新聞を読むようになり、さまざまな記事から自分の考え、意見をまとめてきた。受賞作の新聞感想文「新聞と私の対話『日々是文音』」は数社の記事の比較や感想、要約など多様な読み方をし、物事を広く捉え表現力を高めようという姿勢がうかがえる。
若生さんは高校3年間を通して文芸部に所属し、詩や小説などの創作に意欲的に取り組んできた。受賞作の詩「空を見上げて」は学校を出てすぐの空と、自宅に着く頃の変化を詠んだ。日々の考えや思いが繊細な言葉で表現され、豊かな感性と表現力が高く評価された。