2023年(令和5年) 12月13日(水)付紙面より
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余った食べ物がサツマイモになって学生のもとへ―。山形大学農学部構内で出た生ごみを活用した肥料で栽培したサツマイモが11日、同学部学生にプレゼントされた。廃棄される生ごみを循環・再利用し、カーボンニュートラルと循環型経済の促進を目指す同学部の取り組みの一環。
同学部の佐藤智准教授(応用生態学)の研究室ではアメリカミズアブの幼虫に生ごみを餌に与え繁殖、出たふんで農業用肥料を作る“ヤマダイミズアブプロジェクト”に2021年から取り組んでおり、庄内農業高がその肥料での作物栽培に協力している。今回は夏に栽培し手塩にかけたサツマイモ約70キロを同学部キャンパス内の大学生協「Vert」に寄贈。買い物に来た学生らに1本ずつ配った。佐藤准教授は「プロジェクトを通し、今後も持続可能な地域社会の実現に貢献していけたら」と話している。
アメリカミズアブは体長2センチほどのハエの一種。幼虫は生ごみや家畜のふんを盛んに摂食し、2週間で1万倍ほどの重量に育つ。二酸化炭素をほとんど発生させずに生ごみを分解し、幼虫は飼料に、ふんは作物の良好な肥料として活用できるなど、世界的に研究が進められている。