2023年(令和5年) 4月14日(金)付紙面より
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鶴岡市大山二丁目の渡會本店(渡會俊仁社長)は同社工場に併設されている「出羽ノ雪酒造資料館」について、デジタル化の一環として多言語対応QRコードを設置した。インバウンド客から日本酒文化を理解してもらうことが狙い。英語と中国語に対応しており、コードをスマートフォンで読み込むと選択した言語で展示品の説明が表示される。
出羽ノ雪酒造資料館は鶴岡市で唯一の酒造資料館。コロナ禍前は市立加茂水族館や大山地域の漬物屋などと連携し、観光のモデルコースとして海外からの団体客など多くの観光客が訪れていた。コロナの影響で来館者が減り、2年以上にわたって厳しい状況が続いているが、同社は観光需要が戻った時のため資料館のデジタル化に取り組んでいる。
QRコードのパネルは、市の補助金を活用して館内8カ所に設置。日本語の解説文に加え、スマホなどでコードを読み込むと英語、中国語の繁体字、簡体字が表示され、選択した言語で展示品の説明が表示される。
資料館入り口につるされた酒林や酒米の価格の歴史など7カ所は画像での説明で、残る1カ所は洗米や蒸し米、本仕込みなど酒造り工程を動画で紹介している。コードの設置に合わせ、館内にフリーWi‐Fiやパンフレットも設置した。
渡會社長は「首都圏や大阪などではインバウンドが回復しており、今後は地方も同様に増加すると予想される。資料館内には昔使っていた精米機など多くの展示品があり、さらにQRコードを増やしていきたい。日本酒の魅力を発信するとともに、食文化創造都市・鶴岡や羽黒山など地域資源と連携し鶴岡の観光需要回復につながれば」と話していた。