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2023年(令和5年) 4月15日(土)付紙面より

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飛島の新「離島振興計画」策定へ

 酒田市の離島・飛島。1955年、初めて国の「離島振興法」の指定を受けて以来、産業振興や生活の不便解消策などの対策が講じられた。それから68年。漁港施設などの生産基盤は整備されたが、現在は人口減少で超高齢化が加速、島のコミュニティー維持さえ難しい環境に置かれている。それでも、「島で生きたい」と語る島民は多い。

 山形県は2023年から32年までの、10年間の新たな「山形県離島振興計画」を策定する。どうしたら島の産業と人々の暮らしを持続することができるか、できれば発展させる方策はないか―として、対策と名案についての意見を県民から公募している。本県唯一の離島・飛島の将来に、多くの意見を寄せてもらいたい。

     ◇       ◇

 20年の国勢調査で、飛島の人口は158人、高齢化率は77・2%。酒田市に合併した1950年の国勢調査時の人口は、現在の10倍以上の1618人(終戦前は1788人とも)だった。漁業が主産業であるのに、船着き場は自然の岩場の地形を利用し、海が荒れると住宅の軒先まで波が押し寄せた。そうした環境は、最初の離島振興法指定後、国の支援でずいぶん改善された。

 離島振興法の目的は▽交通・通信▽産業振興▽居住環境の整備―が柱。島への投資の8割が防波堤、漁港荷揚げ場整備などに充てられ、それに続いて一口アワビ栽培に挑戦し、岩ノリ付着場などの生産施設も整備された。1970年頃からの離島ブームで観光面での活気に沸いたものの長くは続かず、ブームが去ると島の過疎化が始まった。中学を卒業すると進学で島を離れ、戻ろうにも島に働く場がない。離島の宿命が人口減少を加速させた。

 県が新しく策定する離島振興計画は、幾つかの目標を掲げている。柱となるのは「安心・安全・安定・快適な島の環境」。観光や産業の展開で島の持続的発展を目指す。かつてのハード面の整備から、高速通信の光ファイバーなどによる情報通信技術を活用し、島での多様な働き方の環境を整備することで、移住者の受け入れを拡大させたい考えだ。

     ◇       ◇

 東北公益文科大学開学後、学生が頻繁に飛島を訪れて島民と交流、「若者に元気をもらった」と語る島民は大勢いた。漂着ごみ清掃では、全国先駆けになった。人が減る島から現状維持、さらには増加させる狙いが、新離島振興計画にはある。そうさせることができる素地と可能性は、飛島にはある。

 県は島民の考えだけではできない島の潜在力を引き出さなければならない。そのために、多くの県民から振興計画に向けた意見を公募している。ぜひ県庄内総合支庁総務企画部総務課まで、名案を寄せていただきたい。公募方法の問い合わせ先は同総務課=電0235(66)2111=へ。公募締め切りは5月1日。

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