2023年(令和5年) 11月28日(火)付紙面より
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日本の歴史や伝統技術に着目し服作りを行っている服飾ブランド「matohu」(まとう)の2024年春夏コレクション「命の糸」特別展示会が鶴岡市の松ケ岡開墾場「シルクミライ館」で開かれている。鶴岡シルクとコラボし手掛けた、上質で軽やかなファッションアイテムが並んでいる。25日には同館でmatohuのデザイナー2人がトークイベントを行い、鶴岡の絹産業への思いや今回の新作にまつわるエピソードを語った。
matohuはファッションデザイナーの堀畑裕之さんと関口真希子さんが09年に設立。2人で現地を訪ね、実際に歴史や風土に触れて制作を行っている。
布の原点である糸に立ち返ろうと、今年春から数回にわたって鶴岡を訪れ養蚕、製糸、染織など絹産業の一連の行程に触れた。蚕の命から生まれるシルクを「命の糸」と表現し、鶴岡シルクとのコラボ作品を発表。企画展を東京や大阪、名古屋などで開き、鶴岡を最終開催地に選んだ。
25日のトークイベントには市内外から約30人が集まった。堀畑さんと関口さんは鶴岡のシルク産業の伝統などに触れ、心に刻まれたことをロードムービーを通して紹介。堀畑さんは「繭から糸ができるまでの行程を初めて見た時は衝撃を受けた。命を頂くありがたさを再認識しなければと感じた」、関口さんは「養蚕から染織まで全ての行程を一つの土地で行っている所は日本では鶴岡しか残っていない。デザイナーにできることでこの伝統をいつまでも守っていきたい」とそれぞれ語った。
展示は30日(木)まで。時間は午前9時―午後4時。水曜定休。