2025年5月23日 金曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2024年(令和6年) 10月10日(木)付紙面より

ツイート

刀匠・藤原清人の遺徳しのぶ 温海 碑前祭と刀剣鑑賞会

 鶴岡市温海地域に住んでいた刀匠・豊前守藤原清人(ぶぜんのかみふじわらきよひと)(1827―1901年)の遺徳をしのぶ碑前祭が5日、同市のあつみ温泉・瀧の屋で行われた。

 清人は仙台藩士・長野清右衛門の八男として生まれ、庄内藩御用鍛冶を務めた温海地域の斎藤家(温泉宿朝日屋)の養子となった。当時の名は斎藤小市郎。刀工を目指して江戸に出た後、26歳で山浦清磨に入門し師匠の一字をもらい「清人」を名乗った。1856(安政3)年、江戸・神田で刀鍛冶として開業し、江戸の名匠として名が広まった。

 67(慶応3)年に豊前守を拝命した後、父が還暦を迎えたことを機に帰郷。70(明治3)年に再度上京し、明治天皇に献上する刀を鍛造した。没後70年余りが経過した1972(昭和47)年、あつみ温泉街にある熊野神社境内に顕彰碑が建立された。

 碑前祭は日本美術刀剣保存協会庄内支部(大瀧儀一支部長)が毎年この時期に開催している。コロナ禍の間は致道博物館で開いており、あつみ温泉での実施は4年ぶり。今回は同支部の会員や来賓など約30人が参列し、祝詞奏上に続き大瀧支部長などが玉串をささげた。江戸での修業時代、急逝した師匠に代わり刀30振りを鍛造して刀債(未納の刀)を返済したという清人の優れた人徳を表す逸話などにも触れ、先人の遺徳をしのんだ。

 碑前祭に先立ち刀剣鑑賞会が行われ、支部会員が持ち寄った江戸後期から昭和期までの刀剣約15点が並べられた。清人作の脇差しや江戸後期の刀匠・3代池田一秀作のやり(穂先)、月山鍛冶の一人・河野貞光作の刀などを手に、支部会員たちがそれぞれ知識を披露し刀剣について理解を深めた。

碑前祭に先立ち行われた刀剣鑑賞会。清人作の脇差しをはじめ、多くの美しい刀剣が並んだ
碑前祭に先立ち行われた刀剣鑑賞会。清人作の脇差しをはじめ、多くの美しい刀剣が並んだ



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field