2024年(令和6年) 1月18日(木)付紙面より
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旧庄内藩主酒井家18代当主の酒井忠久さん(77)が、皇居宮殿松の間で19日に開かれる「歌会始」で、司会役の読師(どくじ)を務める。歌を読み上げる披講(ひこう)に際し、天皇皇后両陛下から歌を拝受する重要な役どころとなる。
宮中の歌会始の儀は、読師のほか、全句を節をつけずに読む役の講師(こうじ)、第1句から節をつけて歌う役の発声、第2句以下を発声に合わせて歌う役の講頌(こうしょう)によって進行される。
今年のお題は「和」。歌会始では、一般から寄せられた1万5000首余りの短歌から選ばれた10人の歌、選者の歌、召人(めしうど)の歌、皇族方の歌の順で披講される。
続く皇后陛下の御歌(みうた)の披講の際、読師は皇后陛下の前に進み御歌を拝受する。最後に天皇陛下の御製(きょせい)が披講され、この際も読師は天皇陛下の前に進み、御製を拝受する役割を担う。
読師など進行をつかさどる役は、旧華族の子弟が務めており、酒井さんは昨年の歌会始に陪席し、読師の所作を確認した。酒井家では、17代当主の故・酒井忠明(ただあきら)さんが、2003年の歌会始(お題「町」)で天皇皇后両陛下に招かれて歌を詠む召人に選ばれ、「今もなほ殿と呼ばるることありてこの城下町にわれ老いにけり」の歌が披講された。