2024年(令和6年) 2月28日(水)付紙面より
ツイート
飲み込みやかむ力に不安がある高齢者を対象にした地域食堂「やわらかふぇCome×come」が23日、酒田市の浜田学区コミュニティ防災センターで開かれ、参加者たちがやわらかく調理されたフレンチのコース料理に舌鼓を打った。
人生の最期まで口から料理を食べる「食のバリアフリー」を目指し、医師や作業療法士、調理師などで結成、活動している「北庄内食援隊」(隊長・大沼寛酒田地区歯科医師会常務理事)が企画。食事を通して高齢者に交流の場を提供することで、身体機能や認知機能の低下を予防しようと初めて企画した。
この日は70代以上の高齢者22人が参加。飲み込みやすいようとろみのあるあんをかけた洋風かぶら蒸し、ペースト状にした甘エビのビスク、やわらかく煮た若鶏のコンフィなど、いずれも歯茎や舌でつぶせるやわらかさまで調理されたメニューが並び、参加者たちは「やわらかくておいしい」「しっとりしていて食べやすい」などと話しながら、笑顔で食事を楽しんでいた。
市内から参加したという88歳の女性は「やわらかくて全部おいしい。エビが好物なので、このように食べることができてとてもうれしい」と。付き添いで来た次女(60)は「母は外食が好きだったが、食べられないものが増えて行きたがらなくなっていたので心配していた。おいしそうに全部食べているので感激している。良い機会になって良かった」とうれしそうに話した。
大沼隊長は「今後は定期開催して活動を広げていきたい。いつか市内の飲食店などで高齢者向けのメニューを取り扱ってくれる日が来れば」と述べた。