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荘内日報ニュース


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2024年(令和6年) 4月6日(土)付紙面より

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致道博物館 シンボルの大時計再び時刻む 旧西田川郡役所 27日リニューアルオープン

 鶴岡市の中心市街地のランドマークともなっている、致道博物館(酒井忠順館長)の国指定重要文化財「旧西田川郡役所」時計台の大時計の修理が完了し、高さ約20メートルの白亜の擬洋風建築の頂上部で2日から、およそ6年ぶりにシンボルの大時計が時を刻み始めた。

 同郡役所の時計台は1972(昭和47)年に同博物館に移築された際、明治の創建時の姿に復元され、大時計(直径約90センチ)も文字盤や針を当時の意匠で再現した電気式のものを新たに取り付けた。長年の風雪で駆動部に不具合が生じて正常な時を刻めなくなったため、駆動を止めていた。

 5年前の山形県沖地震による被害で一般公開を中止していた同郡役所の再公開に向け、同博物館は「致道博物館 再始動プロジェクト」を展開。クラウドファンディングを実施し、今月27日(土)のリニューアルオープンが決まった。

 大時計の修理もこのプロジェクトの一環で取り組み、文化庁と協議した上で、以前の時計を製作したセイコーグループ(東京)に依頼。文字盤や針、駆動部の部品などはすべて特注で、費用は300万円ほど要したという。今月2日に設置が完了した。

 旧西田川郡役所は1881(明治14)年に落成。創建時に国産の振り子式大時計が設置されたが、風の影響でたびたび止まってしまうため、85年に取り外され、時計台も一部解体されて改変が加えられていた。創建時の大時計は同市睦町の常念寺に移されている。現存する国産の塔時計としては日本最古とされ、「旧西田川郡役所塔時計」として先月、県有形文化財への指定が答申された。

再び時を刻み始めた旧西田川郡役所の大時計
再び時を刻み始めた旧西田川郡役所の大時計


2024年(令和6年) 4月6日(土)付紙面より

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庄内の豊かな食は地域の宝だ

 鶴岡市出身の時代小説作家・藤沢周平さんは、作品で数多く庄内の食を描き、「庄内の食がおいしいのは、素材の良さにある。庄内の人は土地の食べ物を少々自慢してもいい…」と『庄内の味』(本の会)に序文を寄せている。在来作物を受け継ぐ庄内の人々は食の精神風土に誇りを持っている。鶴岡市が「ユネスコ食文化創造都市」に認定されて10年になる。

 酒田港には今月8日、外航クルーズ船の第一船が入港する。10月まで外国船7回、邦船1回の計8回豪華客船が寄港する予定だ。乗客は庄内各地を観光する。この機会に庄内が誇る食の素晴らしさを、観光客の力を借りて内外に発信したい。食は経済と文化の両輪ともいえる存在だ。

     ◇       ◇

 鶴岡アートフォーラムで20日からユネスコ食文化創造都市認定10周年特別展「和食~日本の自然、人々の知恵~」が始まる。世界は和食ブーム。特別展では和食を構成する多彩な食材の標本や食品サンプルで展示、食の移り変わりなどを映像で紹介する。普段、あまりにも身近な食材であることから、見過ごされてしまっている庄内の食の良さを再発見できるかもしれない。

 庄内の食通で知られた、元酒田市収入役の伊藤珍太郎さんが著した『庄内の味』には、同市の文化人で『みちのく豆本』を主宰した佐藤公太郎さんも序文を寄せ、「食べ物にはそれぞれシュンがあって、それぞれの最適期にその鮮度の落ちぬうち調理するのが一番うまい食べ方だが、近年はシュンを知ることさえ難しくなった…」と書いている。栽培技術の進歩は、シュンを問わず作物が出回り、季節感が失われていると、言いたいようだ。

 出羽三山の裾野に庄内平野が広がり、川は日本海へと注ぎ込む。変化に富んだ沃野の地形があって海の幸・山の幸に恵まれた庄内の在来作物は、農家の人々が数百年もの間守り続けてきた「宝」。そして「シュン」を大事にしている郷土色の豊かさが、ユネスコ食文化創造都市認定につながった。在来作物とそれを受け継ぐ人々の「心」も認められてのことであろう。

     ◇       ◇

 県庄内総合支庁が音頭を取った「食の都庄内」の事業も20年。庄内の水産物や農産物を伝承、工夫と想像で新しい庄内の食を生み出すことで、食を起点として地域の活性化につなげる取り組みだ。一流の料理人を「食の都庄内」親善大使に委嘱、庄内の食の魅力を内外に発信している。鶴岡市も欧州で市場開拓している。

 ユネスコ食文化創造都市認定から10年。行政、個人の料理研究家などが、これまで在来作物の素材を生かす試行錯誤を重ね、庄内を他地域に誇る「食の理想郷」にしてきた。それらを庄内にとどまらず、より広く発信したい。外航クルーズ船がやって来る。国際化している和食とおいしい庄内の食をアピールする機会としたい。

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2024年(令和6年) 4月6日(土)付紙面より

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「社会に貢献する職員に」 県消防学校初任科入校式 決意新た 51人消防人へ第一歩

 三川町横山の県消防学校(佐藤誠校長)で4日、初任科入校式が開かれた。18歳から28歳の男女合わせて51人(男性48人、女性3人)が入校し、消防署員としての第一歩を踏み出した。

 入校式では佐藤校長が「自然災害が多発する中、県民の生命と財産を守り安全な地域社会に貢献しなければならない。消防職員としての使命をしっかりと自覚し(消防学校で)高度な専門知識や技術、災害救助に必要な強靭(きょうじん)な体力を身に付けてください」と激励した。

 入校生を代表して鶴岡市消防本部所属の小貫湧太(ようた)さん(28)=鶴岡市=が「消防精神のかん養を図り、社会に貢献する消防職員になることを誓います」と決意を述べた。

 入校生は半年間、県消防学校で専門知識や技術を学ぶほか、各種訓練を重ね9月の卒業後、県内各消防署に配属される。庄内関係の入校生は次の通り。

 ▽鶴岡市消防本部=小貫湧太、本間研諒▽酒田地区広域行政組合消防本部=関口仁真、齋藤大空、齋藤創、新田琉生、石栗迅人、佐藤瑞起、堀誠文、佐藤夢

佐藤校長を前に誓いの言葉を述べる小貫さん
佐藤校長を前に誓いの言葉を述べる小貫さん


2024年(令和6年) 4月6日(土)付紙面より

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春の交通安全県民運動へ各地で出発式

 春の交通安全県民運動(6―15日)を前に5日、交通安全関連団体や行政による出発式が庄内各地で行われた。交通事故防止のため10日間にわたって県内各地で街頭立哨や啓発活動が展開される。


荘内神社で祈願 立哨し呼び掛け 鶴岡署

 鶴岡署管内では、同署や鶴岡市、三川町、交通安全関連4団体(鶴岡地区交通安全協会、同地区安全運転管理者協議会、同地区地域交通安全活動推進委員協議会、同地区自動車販売店交通安全対策推進協議会)など100人余りが鶴岡公園の荘内神社前に集まり出発式に臨んだ。

 初めに鶴岡地区安全運転管理者協議会の難波眞一会長が「新入学児童や新社会人の通学、通勤に加え、高齢者の屋外活動も活発化し交通事故の多発が懸念される。関係団体一丸となって事故防止に取り組もう」とあいさつ。続いて交通安全祈願が行われ、各団体の代表者が玉串をささげた。

 鶴岡警察署の京野匡署長などのあいさつの後、同公園南側の県道を白バイや警察車両などがパレード。出席者たちも県道沿いに並び、「交通安全運動実施中」などと書かれたプラカードを手に、道行くドライバーたちへ交通安全を呼び掛けた。


庄総高生が宣言 町内をパレード 庄内署

 一方、庄内町役場でも出発式が行われ、庄内警察署や行政、交通安全各団体の関係者ら約80人が出席。富樫透庄内町長のあいさつに続き、片平淳一署長が「春は人の動きが活発になり、事故の起きやすい時期。住民にとって身近な脅威である交通事故を減らすため協力いただきたい」と述べた。

 庄内総合高校3年の丸藤仁依菜交通安全委員長(17)が交通ルールの順守を誓う「交通安全宣言」を高らかに読み上げた後、白バイを先頭にパトカーや青パトなど約12台が町内パレードに出発。道行く人に事故防止を呼び掛けた。

交通安全関連団体など関係者が期間中の無事故を祈った=荘内神社
交通安全関連団体など関係者が期間中の無事故を祈った=荘内神社

白バイなどがパレードで交通安全を呼び掛けた=庄内町役場
白バイなどがパレードで交通安全を呼び掛けた=庄内町役場



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