2025年(令和7年) 5月6日(火)付紙面より
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世界的ジャンベ(アフリカ太鼓)奏者、ソロ・ケイタさん(48)とギニア国立舞踊団「バレエアフリカン」所属ダンサー、フォンセカさん(33)らを招いた交流会が2日、酒田市の泉小学校(長岡勝也校長)で行われ、5年生41人が音楽やダンスを通してギニアやアフリカの文化を楽しく体験した。
同校では2023年から、当時3年生(現在の5年生)が在ギニア日本国大使館の加藤隆一特命全権大使を招くなど、アフリカやギニアの歴史や文化に関して学びを深めてきた。これまでソロ・ケイタさん、フォンセカさんとも来校やオンラインを通し交流してきたが、今回初めて一緒に同校を訪れた。
この日ソロ・ケイタさんは日本人の弟子らと共に、フォンセカさんはパートナーの上原千沙さん(32)=鶴岡市在住=とボランティアで同校を訪問。5年生たちと一緒に給食を味わった後、音楽やダンスで交流した。
初めに児童らが歓迎のギニア国歌を斉唱。フォンセカさんは自身の出身民族・スズ族で喜びの歌といわれている「ヤンカディ」「マクル」を披露。「一緒に踊ろう」と子どもたちに呼び掛け、児童たちはソロ・ケイタさんの太鼓に合わせ、体全体を大きく動かすアフリカンダンスを体験。その後、日本のJ―pop音楽に合わせて輪になって踊るなど、楽しく交流した。
フォンセカさんは「皆さんに優しくしてもらい最高の一日となった。また会いたい」、ソロ・ケイタさんは「大人になったら世界中の友人をたくさんつくってほしい。見たことのない日本を見せてくれてありがとう」と児童たちに語り掛けた。
参加した堀紗也香さん(10)は「2人と握手した時の手が温かくて優しさが伝わってきた」、金谷茉宙(まひろ)さん(10)は「初めはうまく踊れるか不安だったけど、だんだん緊張がほぐれて楽しく踊ることができた」とそれぞれ感想を話した。
2025年(令和7年) 5月6日(火)付紙面より
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県指定無形民俗文化財に指定されている山戸能と山五十川歌舞伎が3日、鶴岡市山五十川地区に鎮座する河内神社・古典芸能伝承館で奉納上演された。
山戸能は能楽が伝えられた平安時代に、山五十川歌舞伎は江戸時代の中頃、神楽に関連した村芝居として始まったとされる。能と歌舞伎が一つの地域で受け継がれているのは全国的に珍しい。例年、地区民で組織する山五十川古典芸能保存会(三浦市樹会長)が河内神社の春祭(5月3日)と秋祭(11月23日)で奉納している。山戸能は1964(昭和39)年、山五十川歌舞伎は86(同61)年に県の文化財指定を受けた。
山戸能は、能に先立って舞う稚児舞「恋慕の舞」と五穀豊穣(ほうじょう)を願う「式三番」に続いて今年は能「兼平」、山五十川歌舞伎は箱根霊験躄仇討「箱根山中施行の場」をそれぞれ披露した。
古典伝承館には地区民や能楽ファンが訪れ、舞台で熱演する保存会のメンバーに場面ごと大きな拍手を送った。
保存会の三浦会長は「多くの方からご支援を賜り厚く感謝したい。今後も郷土の誇りとして山戸能と山五十川歌舞伎の伝承にまい進していきたい」とあいさつした。
2025年(令和7年) 5月6日(火)付紙面より
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酒田市の「二十歳を祝う成人の集い」が4日、同市の希望ホールで開かれ、真新しいスーツや華やかな振り袖姿の若者たちが節目の年に決意を新たにした。
成人の集いについて市は昨年度から対象者全員が20歳を迎えた後の5月4日(みどりの日)に執り行うこととした。今年の対象は2004年4月2日―05年4月1日生まれの1032人(男性542人、女性490人)で、今年は約709人が出席した。
式辞で矢口明子市長は「ようやく若い人一人一人が大切にされる時代が来た。今は若い皆さんに選ぶ権利があり、学校も企業も選ばれなければ生き残っていけないと社会全体が感じ始めている。酒田市も若い人から選ばれるまちになるためにさまざまな動きがある。酒田が若い人を大切にし、活躍を応援するまちになろうとしていることを忘れないでこれからの人生を送ってほしい」と式辞。佐藤猛市議会議長は「それぞれの可能性に向かって行動を起こしてほしい。青春の失敗とは挑戦しないこと。若い人は失敗を恐れずに挑戦し頑張ってほしい」と祝辞を述べた。
いずれも市職員で成人の集い実行委員を務めた須田大翔さん(東泉町一丁目)と星川誉乃香さん(若宮町二丁目)が「昨年7月下旬には豪雨による大規模な洪水が発生し甚大な被害を受けた。復興中だが、これからを担う私たちが先頭に立つことで今後の酒田の未来を明るく活気あるものにしていけるよう精進する」と所感。続いて、加藤鮎子衆院議員(山形3区)がメッセージ動画で若者たちを激励した。
その後、酒田吹奏楽団の演奏に続き、中学校単位で記念撮影。会場内外では久しぶりに会う友人との話に花が咲いていた。
2025年(令和7年) 5月6日(火)付紙面より
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鶴岡市馬場町の荘内神社(石原純一宮司)で4、5の両日、子どもの健やかな成長を願う「泣き相撲」が行われた。今年は県内外から過去最高の174人(生後3カ月から2歳ぐらいまで)が「参加」。会場には子どもたちの泣き声が響き見物客の笑顔を誘った。
「こどもの日」恒例の泣き相撲は今年で10回目。健康と同時に邪気を払う意味が込められている。東西に分かれて向き合い、大きく泣いた方に軍配が上がる。
親子は本殿で健康祈願の祈とうを受けた後、ねじり鉢巻きをして取組会場の参集殿へ。石原宮司と荘内藩甲冑(かっちゅう)研究会荘内武者隊理事の高橋弘さんが交代で行事を務め「のこった、のこった」「さあ、どうだ!」という掛け声に「ワー、ワー」と大泣きする子が続いた。中には平然とした表情の男の子や女の子も。取組を終えた親子は祖父母ら家族と一緒に記念撮影し思い出に残した。
鶴岡市内から来た父親は「(息子が)元気いっぱい泣いてくれて良かった。これからもすくすくと育ってほしい」と笑顔を見せた。