2025年(令和7年) 5月6日(火)付紙面より
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県指定無形民俗文化財に指定されている山戸能と山五十川歌舞伎が3日、鶴岡市山五十川地区に鎮座する河内神社・古典芸能伝承館で奉納上演された。
山戸能は能楽が伝えられた平安時代に、山五十川歌舞伎は江戸時代の中頃、神楽に関連した村芝居として始まったとされる。能と歌舞伎が一つの地域で受け継がれているのは全国的に珍しい。例年、地区民で組織する山五十川古典芸能保存会(三浦市樹会長)が河内神社の春祭(5月3日)と秋祭(11月23日)で奉納している。山戸能は1964(昭和39)年、山五十川歌舞伎は86(同61)年に県の文化財指定を受けた。
山戸能は、能に先立って舞う稚児舞「恋慕の舞」と五穀豊穣(ほうじょう)を願う「式三番」に続いて今年は能「兼平」、山五十川歌舞伎は箱根霊験躄仇討「箱根山中施行の場」をそれぞれ披露した。
古典伝承館には地区民や能楽ファンが訪れ、舞台で熱演する保存会のメンバーに場面ごと大きな拍手を送った。
保存会の三浦会長は「多くの方からご支援を賜り厚く感謝したい。今後も郷土の誇りとして山戸能と山五十川歌舞伎の伝承にまい進していきたい」とあいさつした。