2025年(令和7年) 5月8日(木)付紙面より
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鳥海山大物忌神社(高橋廣晃宮司)吹浦口之宮例大祭(通称・吹浦祭り)が5日、遊佐町吹浦地区で繰り広げられた。きれいな青空の下、祭りの最後を飾る花笠舞が奉納され、終わって花笠が舞台から投げ入れられると、待ち焦がれた観客が「縁起物」を獲得しようと一斉に手を伸ばし、競って奪い合った。
鎌倉時代から続くという伝統の祭り。午後1時過ぎ、伊達奴(だてやっこ)の先導で鳥海山大物忌月山(つきやま)の両大神を祭る2基の神輿(みこし)を中心とした渡御行列が同宮を出発。晴れ着姿の子どもたちが花を手にした家族らと行列に参加する「台花持ち」、遊佐小児童の「子ども樽みこし」、地元漁師ら漁業関係者による船形の「船みこし」、県内外から多くの担ぎ手が集まる「吹浦みこし」などの行列が、露店が並ぶ同地区中心部を練り歩いた。
約2時間かけて行列が同宮に戻ると、境内の特設舞台で花笠舞を披露。青空と新緑が目に優しい林をバックに深紅の花笠が華麗、勇壮に揺れ、花笠が投げ入れられると祭りはクライマックスを迎えた。