2025年(令和7年) 5月9日(金)付紙面より
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発達の遅れが気になる子どもたちを支援する放課後等デイサービス「ハーモニー」が三川町横山に開設した。三川町内では初の施設。現在、小学1年生から中学3年生までの児童・生徒7人が放課後の時間帯に利用している。
先月1日に開設したハーモニーは福祉事業を展開する「和 のどか」(三川町猪子、加藤悦子代表取締役)が運営している。施設を望む保護者の声を受け、地域貢献の一つとして認可を取得した。
対象は小学1年生から高校3年生まで。児童発達支援管理責任者、社会福祉士、保育士、児童指導員の資格を持つ専門職員が子どもたちを支援している。
利用時間は月曜日から土曜日。学校がある日は下校から午後5時半(延長あり)、学校が休みの日は午前9時から午後4時まで(早朝預け、延長あり)。送迎サービスもしている。長期の夏休みや正月休みもお盆(8月13、14、15日)と年始年末(12月31日、1月1、2日)を除いて利用できる。調和や仲良くなること意味する「ハーモニー」を施設名にした。
「最初は人見知りするような感じだったが、いまは慣れてみんなで楽しく過ごしている。まずは順調」と職員。普段の子どもたちは施設で興味を持った遊びを楽しんでいる。食育を大切にしているハーモニーでは近く畑作体験としてトマトやナスの栽培も考えているという。
加藤代表は「お子さんの状況に応じて応用行動分析学(社会の中で暮らしやすくなるための支援)に基づいた療育と支援を行う施設。まだスタートして間もないが、子どもたちや私たちスタッフ、家族の皆さまが『笑顔のハーモニー』を刻んでいける居場所として日々、努力を重ねていきたい。お子さまの状況に関することなど気軽な相談も受けているので連絡をいただければ」と話している。
問い合わせは「ハーモニー」=電0235(35)1886(受付時間は午前8時半から午後7時)=へ。
2025年(令和7年) 5月9日(金)付紙面より
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酒田、八幡、松山、平田4市町が合併し、新たな酒田市が誕生してから今年11月で20周年の節目を迎えることを受け、市は記念のロゴマークを作成した。市章に用いられている緑、青のシンボルカラーを基調にしたデザイン。来年3月までの間、各種冠イベントでの利用などさまざまな場面で活用していく。
同市は2005年11月1日、旧1市3町が合併し誕生。急速に進む少子高齢化や経済のグローバル化など時代の流れを踏まえ、各地域が持つ資源・魅力を融合し新たな船出をした。
今回の記念ロゴマークは、市公認マスコットキャラクター「もしぇのん」「あののん」をデザインした市職員が担当。上部にはシンボルカラーを基調に「20」と大書き。「0」の中で合併から20年を経て成熟した旧1市3町を稲穂4本で表現したほか、中央の円を鳥海山から昇る来光に見立てて新たに進んでいく未来をイメージ。公認キャラがほほ笑んでいる。下部にある文字部分は持続可能な社会の実現を目指し、SDGsカラーで「Sakata City 20th Anniversary」とつづっている。矢口明子市長は「市民からシビックプライドを実感してもらい、二十歳を祝う年にしたい。式典などは予定していないが、各種イベントを記念事業として実施するなどアピールしていきたい。広く活用してもらえたら」と話している。
記念ロゴの使用は来年3月末まで。市マスコットキャラクター使用要綱に基づき、申請することで商品ラベルなどへの印刷も可(デザインのアレンジや色合い変更はできない)。問い合わせなどは市総務課=電0234(26)5700=へ。
2025年(令和7年) 5月9日(金)付紙面より
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庄内地方に江戸時代から伝わる伝統的な釣り竿「庄内竿(ざお)」を使った釣り大会が4日、鶴岡市加茂地区周辺の磯で開かれ、県内外からの参加者が独特なしなりを持つ竿でクロダイ釣りに挑んだ。
庄内浜での磯釣りは江戸時代、魚との「勝負」と呼ばれ、鍛錬とともに武士道にも通じる「釣道」として藩主が奨励。数年かけて苦竹(にがだけ)で作る継ぎのない延べ竿(一本竿)は武士の刀と同等に扱われ、「名竿は名刀より得難し」とも言われていた。
こうした釣り文化を継承し、庄内竿の作り手確保にもつなげようと、昨年釣り好きの有志で結成した同市の「荘内竿釣道会」(佐藤滋会長)が初めて企画し、地元や県外から釣りの初心者の若者から年配のベテランまで13人が参加した。
午前5時前に開催に協力した「渚の交番カモンマーレ」に集合し、鶴岡市千安京田の庄内竿作り師、朝香孝一さん(77)製作の三間(約5・4メートル)の延べ竿を手に、「武士道精神で挑もう」との呼び掛けで「勝負」を開始。長尺の竿を持ち、各磯へと向かった。
和竿のルアー用ロッドを製作・販売している埼玉県さいたま市の加藤千晃さん(34)と添野友洋さん(34)は以前、朝香さんの工房を訪ね、庄内竿作りを学んだ縁で参加した。2人は庄内竿を手にして調子を確かめながら「庄内竿で実釣でき、感動を覚える。庄内藩伝統の釣道で勝負を楽しみたい」と興奮した様子で話した。朝香さんは「庄内竿は手元近くから曲がるしなりが特徴。大物が掛かっても決して穂先や先端で折れることはない。江戸時代からの独自の磯釣り文化を何とか守っていきたい」と話していた。
この日は昼近くまで勝負を続け、全体で40センチ近くと20センチ級のクロダイ2枚、アジ6匹の釣果だった。荘内竿釣道会は、本番となる秋磯での大会開催も計画している。
2025年(令和7年) 5月9日(金)付紙面より
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酒田海上保安部(相川武司部長)は7日、海に転落した高齢男性を助けた2人の漁師に感謝状を贈った。
感謝状を受けたのは、いずれも鶴岡市小波渡の漁師で佐藤久見(ひさみ)さん(78)と今野正伸さん(75)。先月10日午前10時半ごろ、小波渡の沿岸でワカメ漁をしていた磯見漁師の80代男性が自分の船のロープにしがみついてこらえているのを佐藤さんが見つけた。近くにいた今野さんに知らせ2人で男性を海から引き揚げた。船に乗せて港までえい航する際、今野さんが119番通報。駆け付けた救急車とドクターヘリをつないで病院に搬送した。
当時の海水温は12度。男性は低体温症になっていたが、2人の適切な行動で命を取りとめた。その後の調べて男性はテトラポットから誤って足を滑らせ海に落ちたことが分かった。
この日、鶴岡市由良一丁目の県漁協由良支所で行われた贈呈式で酒田海保の相川部長が「迅速で的確な対応が男性の命を救った。深く感謝したい」とお礼の言葉を述べた。
民間ボランティア団体の「県水難救済会豊浦救難所」に所属する佐藤さんと今野さんは「転落した磯見漁師は古くからの仲間で私たちの先輩。救出した当時、かろうじて意識はあったが低体温で話せる状態ではなかった。何よりも元気に回復して良かった」と話した。