2025年(令和7年) 05月18日(日)付紙面より
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酒田市の泉小学校(長岡勝也校長)で14日、酒田舞娘(まいこ)による出前授業が行われ、5年生41人が参加。芸妓(げいぎ)の小鈴姐さん、酒田舞娘の鈴華さんと鈴千代さんの講話・演舞を通し「酒田の魅力」「おもてなし」について理解を深めた。
同校5年生「ハピネス学年」は昨年からクルーズ船酒田港寄港時、埠頭(ふとう)で乗客との交流活動を展開している。大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が寄港する28日(水)に本年度最初の活動を計画しており、「さかた観光交流マイスター」を務める酒田舞娘から「おもてなし」について学ぼうと酒田DMO(同市、荒井朋之代表理事)の協力で授業を企画した。
児童を前に、小鈴姐さんは江戸―明治期に遠隔地貿易の主役だった北前船による上方文化の酒田伝来、酒田舞娘の誕生などに関して講話、「酒田以外の世界を見てほしい。いろいろ見ることで『こんなに住みよい街はない』と酒田の良さを実感するはず。酒田の良い所をしっかりと伝えられる大人になって」と呼び掛けた。
鈴華さん、鈴千代さんは児童たちの質問に答えたほか、小鈴姐さんによる三味線と唄に合わせ「潮来出島(いたこでじま)」「酒田甚句」などを披露。児童たちはお座敷遊び「おまわりさん」も体験した。佐藤悠仁君(10)と進藤茉歩さん(10)は「舞娘さんの踊りを生で見るのは初めて。すてきだった」と。そして「笑顔が印象的だった。交流活動の時も笑顔を忘れずに接したい」と続けた。
「ダイヤモンド・プリンセス」寄港時、児童たちは埠頭でダンスを披露するほか、「おまわりさん」、同じくお座敷遊びの「投扇興(とうせんきょう)」などで乗客をもてなすことにしている。
2025年(令和7年) 05月17日(土)付紙面より
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鶴岡市の鶴岡工業高等専門学校(太田道也校長)は15日、ニュージーランドのワンガヌイ地区評議会、同地区にキャンパスを構える高等学術機関ユニバーサルカレッジオブラーニング(UCOL)の2者と学術交流に関する協定を締結した。今回の締結により、鶴岡高専の学生が現地を訪れて語学演習や情報分野の共同研究、現地企業でのインターンシップなどに挑戦できることになった。
鶴岡高専は適応力が高く国際社会で活躍できる技術者育成のため、年間を通して学生の海外派遣プログラムを実施するなど、学校全体のグローバル化に取り組んでいる。同校はこの一環として、英語圏で治安が良く自然豊かなニュージーランドとの交流促進を計画。昨年10月にワンガヌイ訪問団が来日した際、ニュージーランド大使館で開催された懇談会で鶴岡高専側から訪問団へ学術交流について相談を持ち掛け、同12月や今年3月には現地の企業や研究現場を訪れて連携の具体的な内容を詰めた。
協定の主な内容は「学術交流により日本とニュージーランド間の相互理解を深め、相互の関心分野における学術活動の発展に寄与する」ことを目的に掲げた上で、▽教職員・学生の交流促進▽科学技術に対する共同研究▽会議、シンポジウム、講義の開催、印刷物やその他の学術的・教育的情報交換―の3点を基に、3者が共同プログラムに取り組むといったもの。協定の有効期間は5年で、いずれかの機関が変更や廃止を提案しない限り、5年ごと自動的に延長される。
この日、鶴岡高専で締結式が行われ、ワンガヌイ地区評議会主席戦略役員のサラ・オヘイガンさんとUCOLの学術ポートフォリオ(教育評価)責任者のジャン・マクギボンさんなど5人が来校。オヘイガンさんとマクギボンさん、太田校長の3人が覚書に署名した。
その後、太田校長が「皆さんと交流を深めることに期待している。次に訪れた時はゆっくり過ごし、鶴岡の雰囲気を味わってもらいたい」、オヘイガンさんが「英語学習と実社会でのインターンシップを組み合わせたプログラムを、ワンガヌイで展開する可能性に大きな期待を寄せている」、マクギボンさんが「鶴岡高専の学生の皆さんをワンガヌイにお迎えできることを心から楽しみにしている」とそれぞれあいさつした。
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ワンガヌイ地区のワンガヌイ市は、ニュージーランド最大かつ最も歴史の古い都市の一つで、人口は約4万5000人。ユネスコのデザイン都市に認定されている。2014年に設立されたワンガヌイ地区評議会は、産業や海外との交流など各種方針について市へ提案する経済発展機関。また、UCOLは公立のポリテクニック(実学・職業教育を中心にした高等教育機関)で、ワンガヌイ地区の企業とつながりが深い。
2025年(令和7年) 05月17日(土)付紙面より
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鶴岡市泉町の旧風間家別邸「無量光苑釈迦堂」(国登録有形文化財)の庭園で白ツツジが間もなく見頃を迎える。例年通り5月初めの連休中に咲き始めたものの、その後は寒い日が続いた影響か15日は全体で5分咲きといったところ。今週末から来週頭にかけて見頃を迎える見込みだ。
釈迦堂の庭園は100年ほど前に風間家7代目の幸右衛門が造園し、現在は公益財団法人の克念社が管理している。
約2700平方メートルの土地にツツジや松、桜、ツバキ、ハギ、モミジなどの庭木を配置し、四季折々の景観を楽しめる市街地のスポット。ツツジの名所としても知られ、白と赤合わせて20株余りが植えられており、例年5月中旬に白が見頃を迎える。
15日は日中に25度前後まで気温が上昇。庭園のツツジは株によって7~8分咲きだが、つぼみも多く見られた。克念社の70代女性職員は「白ツツジが咲きそろうと圧巻の景色。縁側に座って眺めたり、ティーハウスでゆっくりしながら観賞したりと、毎年多くの市民や観光客が穏やかな時間を楽しんでいる」と話していた。
白ツツジは今月25日ごろまで、赤ツツジは今月末まで楽しめるという。丙申堂と釈迦堂の入館料は共通券500円。