2024年(令和6年) 05月11日(土)付紙面より
ツイート
鶴岡市谷定の農業、今野俊さん(58)が9日、珍しい“双子の孟宗(もうそう)”を見つけた。身を寄せ合うようにくっついて生えており、根っこの部分は一体化。2本をまとめるように皮が覆っている。今野さんは「40年ほど掘り続けているけどこんな状態の孟宗は見たことがない」と話している。
今野さんによると同日早朝、この時期は日課となる孟宗の朝掘りのため自身が所有する近くの山に出掛けたところ、地面から10センチほど頭を出した2本の孟宗を見つけた。孟宗は従来、親竹から伸びた根の節ごとに芽が育つことから、今野さんは「こんなにくっついて生えているのは珍しい」と感じたという。
掘り起こしたところ、驚いたことに孟宗は一見2本のように見えるが根っこ部分は一体化しており、表面の皮も2本をまとめて覆っていた。今野さんは「何らかの理由で2本の芽が1カ所から伸び、育つうちに根の部分が一つになったのかも。自分より長く掘り続けている親も見たことがないから、相当珍しい育ち方だと思う」と話した。
双子孟宗は形が良くないため商品にはならないとのことで、今野さんは「もったいないけど自宅で家族と食べてみようかな」と語った。
2024年(令和6年) 05月11日(土)付紙面より
ツイート
心より医師を助け、わが手に託されたる人々の幸のために身をささげん―。看護学生がナイチンゲールの「灯火」を受け継ぐ鶴岡市立荘内看護専門学校(校長・鈴木聡市立荘内病院院長)の「継灯式」が10日、荘内病院で行われた。
継灯式は2年生を対象にナイチンゲールの「看護の心」をあらためて誓う儀式。この日は1年から3年の在学生50人と2年生の保護者や学校関係者ら合わせて約80人が出席した。
校歌を斉唱した2年生11人は「患者さんに信頼される看護師を目指します」「思いやりを持って患者さんの不安を取り除きたい」と1人ずつ壇上で誓いの言葉を述べた。「継灯の儀」ではナイチンゲールの灯火をろうそくに付けて受け継いだ。
伊藤有来(ゆこ)さん(19)=鶴岡市=は「患者さんの思いを尊重し、その人らしさを支える看護師になることが私の目標。今月20日から荘内病院で本格的な臨地実習が始まるが、同僚のみんなと共に頑張りたい」と話した。
席上、鈴木校長は「入学後、不安はあったと思うが1年間よく頑張った。これからも専門知識や技術、人間性を磨き、立派な看護師を目指してください」とあいさつした。2年生11人は荘内病院のほか、市内の福祉施設でも実習を積む。
2024年(令和6年) 05月10日(金)付紙面より
ツイート
医療分野におけるデジタル技術の展望などについて学ぶシンポジウム「医療DXが導く『医療×介護連携』の未来」が8日、酒田市の日本海総合病院で行われ、医療関係者が全国の事例などを通じて理解を深めた。
シンポジウムは県・酒田市病院機構(島貫隆夫理事長)が、医療関係者にデジタル技術の進化に伴う医療と介護の連携について学んでもらおうと企画。地域医療連携推進法人・日本海ヘルスケアネット(栗谷義樹代表理事)のメンバーや地元の医療関係者、行政担当者ら約70人が参加した。
この日は島貫理事長のほか、厚生労働省医政局・田中彰子参事官、同省保険局医療課・加藤琢真課長補佐、佐原博之日本医師会常任理事、長島公之日本医師会常任理事の5人がそれぞれの分野での医療DXの進捗(しんちょく)状況や医療・介護連携への活用方法などを紹介した。
このうち、石川県七尾市で診療所を開業している佐原常任理事は「医療DXと災害」と題して講演し「能登半島地震では道路が寸断され、基幹病院を含む北部の医療施設の多くが被害を受けた。入院患者や要介護度が高い人を対象に、金沢以南や隣県の病院に数日間で大規模な搬送が行われた。保険証やお薬手帳などがない中で厚生労働省が提供する『オンライン資格確認等システム災害時モード』、石川県内の電子カルテを網羅する『いしかわ診療情報共有ネットワーク』で転院先でも多くのことを確認でき、課題もあるが非常に役立った」などと経験を語った。また、島貫理事長は庄内地域で進む医療DXの事例を紹介し「医療・介護連携は、医療資源の適正化など2024年内に地域医療圏全体のリデザインを行いたい。患者と医師の顔の見える関係が一番いいのだが、ICTを活用しバーチャルな顔の見える関係をつくりたいと考えている。医療MaaS(マース)は、来週から八幡地区でスタートする。今後の高齢化、受診困難患者の対応に向けて中山間地へアウトリーチを行う」などと展望を述べた。