2012年(平成24年) 1月18日(水)付紙面より
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鶴岡市の致道博物館(酒井忠久館長)の多層民家・旧渋谷家(国指定重要文化財)で、「いぶり出し」作業が行われている。
旧渋谷家は1822(文政5)年に建てられ、1965(昭和40)年に旧朝日村田麦俣から同博物館に移築された。もともとは生活の場として毎日のようにいろりが使用されていたが、移築後は火入れすることもなくなったため、冬場の観光PRも兼ねて同博物館が毎年この時期に「いぶり出し」として火を入れている。同博物館によると、煙やすすがかやぶきの防虫や害虫駆除、防腐の役目を果たすという。
初日の15日は午前10時ごろから、アルバイトの女性2人がいぶり出し。薄暗い室内でいろりを囲んで剪定(せんてい)枝などをくべ、室内に煙を充満させた。福島県から団体で観光に訪れた人たちは興味深そうに見学していた。
いぶり出し作業は週2、3回行われ、3月中旬ごろまで続けられるという。