2012年(平成24年) 1月19日(木)付紙面より
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鶴岡工業高校(佐藤平校長)の生徒たちが17日、鶴岡市の斎小学校で出前授業「クロスカップリング反応を体験しよう」を行い、児童たちに化学の面白さを伝えた。
鶴工高では本年度から、ものづくりなどに興味を持ってもらうことで地域社会を担う技術者や研究者を育成しようと、建築システム、電気電子システム、環境システムの3科が市内の小中学校を対象に出前授業を呼び掛け、実施している。今回は環境システム科の2、3年生7人が「先生役」として訪問、6年生19人に授業を行った。
鶴工高の阿部泰裕教諭から説明を受けた後、5グループに分かれて実験を開始。児童たちは高校生から器具の使い方などを教えてもらいながら、真剣なまなざしで取り組んでいた。実験が進むにつれ生成物の臭いが漂うと、児童たちは「変な臭いがする」「臭い臭い」などと歓声を上げていた。
その後、液体窒素で凍らせた花やゴムボールを砕いたり、凍らせたマシュマロを食べるなど、児童たちは「超低温の世界」を体験した。
齋藤誠人君(17)は「斎小の卒業生なので出前授業に来るのが楽しみだった。みんなが楽しんで授業を受けているのを見てうれしかった」と話した。授業を受けた門脇正知君(12)は「化学が好きなので、今日の授業はとても興味があった。凍らせたバナナでくぎを打つのが楽しかった」と話していた。
クロスカップリング反応は、触媒を用いて異なる有機化合物同士を結合させ新しい物質を作る反応。医薬品や液晶材料などの製造に利用されるなど、生活に幅広く浸透している。この合成手法の開発により、2010年に日本人研究者2人がノーベル化学賞を受賞した。