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2012年(平成24年) 8月22日(水)付紙面より

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幽玄の世界へいざなう

 松山能(県指定無形民俗文化財)が20日夜、酒田市松山地域の皇大神社境内の能楽堂で奉納上演された。33度を超える真夏日となった日中の暑さが残る中、松山能「屋島」などが演じられ、詰め掛けた観客を幽玄の世界に引き込んだ。

 松山能は江戸勤番の松山藩士が習得。明治維新後は地元の演能団体「松諷社(しょうふうしゃ)」(榎本和介会長)に受け継がれ続いている。松山藩創立期の祈願所だった皇大神社の例祭に合わせた上演は「月の能」とも称され、「花の能」として6月に開催される「羽州庄内薪能」、1月末に「雪の能」として開かれる「まつやま大寒能」とともに3定期公演の一つになっている。

 「屋島」は、平家物語を題材にした修羅物(武人がシテ=主人公=になる演目)の名作で、作者は世阿弥。旅の僧が讃岐の国・屋島の浦で老いた漁師に出会う。漁師は、この地でかつて源平が戦った様子を事細かに語り、自身が義経の幽霊であることをほのめかして消える。やがて、僧の夢の中に甲冑(かっちゅう)姿の義経の幽霊が出現。合戦が忘れられないと妄執を述べ、戦いを思い出して修羅の苦しみを舞い、やがて消えうせるという物語。

 同夜は、地元・松山小学校の狂言クラブによる子供狂言「盆山(ぼんさん)」、松諷社による狂言「瓜盗人」に続き「屋島」を上演した。後場で義経の幽霊が、扇や太刀を手に激しく舞う場面がクライマックス。能楽堂前に陣取った多くの観客やアマチュアカメラマンらを魅了していた。

義経の幽霊が修羅の苦しみを舞い「屋島」が最高潮を迎えた
義経の幽霊が修羅の苦しみを舞い「屋島」が最高潮を迎えた



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