2014年(平成26年) 8月7日(木)付紙面より
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鶴岡市大宝寺町の水神社(武田紘宮司)の例祭が5日行われた。伝統の「子供謡くねり」として、かみしもを着け、手にちょうちんを持った子供たちが水の安全などを願いながら、謡曲「高砂」を謡い、宵の町内を練り歩いた。
かつては氏子会による講が中心となり、ご神体の「御鉾様(おほこさま)」を下ろす当屋(神宿)を立てて行う伝統の様式だった。生活の変化に伴い、1985年ごろから段階的に当屋制度を廃止するとともに、祭事は大宝寺第一町内会(大瀧啓之介会長)が中心的に担うようになった。
今年の子供謡くねりには、幼児から小学6年生までの36人が参加。1週間ほど前から毎日夕方、市第五学区コミュニティ防災センターに集まり、謡の稽古をしたという。
この日は午後5時半ごろから水神社で神事を行い、子供たちはそろいのかみしも、はかま姿で参加。まず神社の前で「高砂」の謡を奉納した。引き続き、中学生約20人による高張りぢょうちん、御鉾様、神官、笛と太鼓のはやしなど総勢約100人の行列を仕立て、大宝寺第一、同第二、宝町中道の各町内会を約1時間かけてくねった。
夕闇迫る後半、ちょうちんに火が入ると、幻想的な世界に。子供たちが「高砂やー、この浦舟に帆を上げてー」と謡いながら練り歩くと、沿道の大人たちが「かわいいー」「頑張れー」などと声援を送っていた。
大瀧会長は「行列には6歳から86歳までの人が参加し、地域を挙げてやっている。子供たちの元気な声が地域の活性化につながれば」と話した。