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2021年(令和3年) 10月31日(日)付紙面より

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樗牛賞 石井さん(鶴岡市羽黒町手向)受賞 富樫さん(鶴南高2年)、加藤さん(酒東高3年)奨励賞 俳句の文芸活動で地方文化に貢献

 鶴岡市教育委員会は29日、地方の文化向上に尽くした人に贈る「高山樗牛賞」の本年度受賞者に、俳句の文芸活動を通して地方文化の啓発向上に貢献している石井野洲子(やすこ)(本名・安子)さん(81)=鶴岡市羽黒町手向=を決め、発表した。児童生徒対象の高山樗牛奨励賞には鶴岡南高2年の富樫永理奈(えりな)さん(16)と酒田東高3年の加藤澪奈(れな)さん(18)が選ばれた。授賞式は11月25日(木)に同市のグランドエル・サンで行われる。

 樗牛賞は、歴史小説「滝口入道」などで知られる庄内が生んだ明治の文豪・高山樗牛(1871―1902年)の偉業を顕彰し、地方文化の向上を目的に樗牛出身地の同市教委が1958年に制定。庄内に居住し、文芸、評論、作文などで功績のあった人に贈られている。今回が64回目。

 樗牛賞の石井さんは、1988(昭和63)年に当時国内随一の会員数を誇った全国的な俳句結社「人」に入会して研さんを積み、結社内で99年に新人賞、2007年に最高賞「人賞」を受賞。11年には句集「月山筍(がっさんだけ)」を上梓。生まれ育った手向地区や出羽三山の四季の自然や暮らし、祭事や神事を詠んだ作品が多く、暮らしに密着した句材を詠むことが、対象把握の確かさや表現の的確さに結び付いている。俳聖・松尾芭蕉にちなんだ「奥の細道・羽黒山全国俳句大会」では地方選者として大会運営に関わるなど、出羽三山の俳句文化を対外的に発信する活動も継続。現在は「いではの会」を主宰し、俳句の指導と後進の育成にも努めている。

 石井さんは受賞に「驚きとともに、大変光栄なことでうれしい」と喜びを語り、「芭蕉との関連で俳句が盛んで『俳句の聖地』とも呼ばれた出羽三山の羽黒で、その文化を次代につなげたいと俳句を続けてきた。幸い、若い人につなぐことができ、今はそれが一番の喜び。羽黒山全国俳句大会に訪れる著名な俳人やさまざまな人たちとの出会いで、育てていただいたと思っている」と話した。

 奨励賞の富樫さんは、幼い頃から本に親しみ、小学生の時から読書感想文コンクールに出品して多くの賞を受賞。「広辞苑」を対象図書にした読書感想文「ことば探しの旅に出よう」が、昨年度の青少年読書感想文全国コンクールで文部科学大臣賞を受賞した。

 加藤さんは小説「祈幸(きこう)の鬼」を創作した。主人公の男子中学生が、少年の姿をした鬼と出会い、本当の自分とは何か、本当に生きるとは何かを探っていく作品で、2019年度の全国高校文芸コンクール小説部門で優良賞を受賞した。


2021年(令和3年) 10月31日(日)付紙面より

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コロナ禍で困窮市民ら支援 県庄内総合支庁フードドライブ 家庭で余分な食品寄贈

 「食品ロス削減の日」(30日)に合わせ29日、三川町の県庄内総合支庁(高橋正美支庁長)で、家庭で余った食品などを集める「フードドライブ」が職員を対象に初めて行われた。米や缶詰など約370点(重さ約100キロ)が集まり同日、食品ロス削減に取り組んでいる東北公益文科大(酒田市)の学生サークル「Liga」(リーガ)に寄贈された。コロナ禍で生活に困窮している市民らに提供するという。

 同支庁環境課が中心になって、食品ロス削減の日、食品ロス削減月間(10月)に合わせて実施。事前に職員約500人に「家庭で買い過ぎた食品や、もらったが使う予定のない食品などを持ってきて」と呼び掛け、午前8―9時、午後0―1時に1階ロビーで集めた。米や乾麺、缶詰、飲料、お菓子などが集まった。

 この日午後3時半すぎ、同支庁で行われた食品の贈呈式では、同支庁の貝沼浩則健康福祉環境部長が「小さな積み重ねが大事。これからも頑張って」と、リーガ食品ロス削減チームの阿部武宣代表(20)=2年、尾花沢市出身、太田朋秀副代表(20)=同、上山市出身=の2人に、この日集めた食品全てを寄贈した。

 阿部代表は「量の多さに驚いた。必要としている学生や市民に渡すなど、みんなが喜ぶ活動を通じ、食品ロスを減らしたい」と感謝を述べた。環境課では「今後も食品提供を呼び掛ける対象を広げることを含め、継続を検討したい」とする。

 リーガは2018年、難民支援を目的に設立。食品ロス削減チームは19年10月に立ち上げ、フードドライブや生活困窮者らに食品を提供する「フードパントリー」、飲食店での食べ残しを持ち帰る袋「ドギーバッグ」の普及、規格外農産物を使った「子ども食堂」などに取り組んでいる。今回の食品は12月4日、酒田市内で行うフードパントリーで必要とする市民や学生らに提供するという。

贈呈式で、貝沼部長(右)から食品を受け取る阿部代表(中央)と太田副代表
贈呈式で、貝沼部長(右)から食品を受け取る阿部代表(中央)と太田副代表


2021年(令和3年) 10月31日(日)付紙面より

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《ひと》課題と現状把握し県政を前に

副知事に就任 平山 雅之(ひらやま まさゆき)さん

 10月28日付で副知事に就任。辞令交付後、定例部長会議や県議会各会派代表へのあいさつ、報道陣への取材対応などに追われた。副知事の椅子に座り「この部屋は県職員時代に何回も足を運んでいるが、これほどじっくりと眺めたのは初めて」と笑う。

 吉村美栄子知事から副知事選任の要請を受けた際は「驚いた。いろいろ悩んだが知事のもとで県民の幸せのため頑張ると決めた。全力で真摯(しんし)に県政に取り組みたい」と抱負を語る。

 県職員時代は商工労働部での勤務が長かったが「経済再生だけでなく知事の補佐役や県庁内、各市町村との調整役を務めながら、さまざまな本県の課題と現状を一刻も早く把握し、県職員一人一人の力を引き出して県政を一歩でも前に進めたい。自分の経験が少しでも役に立てば」と話す。

 県職員時代から現場主義。「どんな時代でも人と人のつながりが大事。お仕着せはしないがパソコンの前で仕事をするだけでなく、外に出ていろんな人と会話することでアイデアは膨らむ」と強調する。

 現在の県政で指摘されている市町村との連携不足について「地方自治を進めるものとして市町村と県は対等の関係にある。話し合う場を設け、互いに信頼できる関係となる環境づくりが必要。その調整役は引き受ける。各地域へ足を運び首長と話したい」と意欲を見せる。

 当面は県企業振興公社理事長を兼任するため忙しい日々が続く。「山形県が良くなるために自分の経験が役立つならやるしかないと覚悟を決めている」と述べた。

 東根市出身。山形東高、一橋大法学部を卒業後、1983年4月に県職員として入庁した。商工労働部長などを歴任し2019年3月に定年退職。同年4月から県企業振興公社理事長を務めている。読書が趣味で、山形市内の同公社に電車で通勤する際は文庫本が欠かせなかったという。人間の機微を表現する人情話が好きで、最近は藤沢周平の「たそがれ清兵衛」を読み返した。東根市在住。母と妻、2人の息子の5人家族。62歳。

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