2021年(令和3年) 5月12日(水)付紙面より
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県庄内総合支庁が鶴岡市温海で進めていた主要地方道余目温海線交通安全道路事業の本線工事が完了し、供用が始まった。日本海沿岸東北自動車道(日沿道)あつみ温泉インターチェンジ(IC)と国道7号とを結ぶアクセス道路で、JR羽越本線が道路をまたぐ架道橋の高さ、幅が狭く、大型車両の通行に課題があったが、架道橋の架け替え工事で高さ、幅を広げるなど、より円滑、快適に通行できるようになった。
現場は東西に走る同地方道の終点部分で、以前は南北に走る市道と丁字路交差点になっていた。JRの架道橋は「制限高4メートル」で、海上輸送用コンテナを積んだ大型トレーラーの中には、通過時に許可申請が必要な車両もあった。また、道路全体の幅も7・5メートルと狭く、歩道は北側に幅約70センチ分しかなかった。
事業は日沿道あつみ温泉ICの供用をにらみ2008年度、東西延長267メートル区間を対象に着手。西端の「茶屋町工区」では丁字路交差点を十字路交差点に改良し、西側(海側)に延長、国道7号に直接タッチさせ、日沿道の同IC供用に合わせて12年3月、66メートル区間を供用した。
その後、JR東日本に工事を委託する形で、架道橋を架け替える工事などを行った。架道橋の高さは「制限高4・5メートル」と50センチ高くなり、コンテナを積んだ大型トレーラーも申請不要で通れるようになった。道路全体の幅は10メートル、歩道は2メートルにそれぞれ拡幅。市温海庁舎入り口にかけてきつかったS字カーブを緩やかにした。また、架道橋周辺の98メートル区間には無散水消雪を採用。残区間約200メートルは今年3月29日に供用開始された。総事業費は18億4500万円で、うち架道橋架け替え分は8億6400万円。7月末まで一部舗装工事が続く。
県庄内総合支庁道路計画課では「以前より円滑、快適に通れるようになり、日沿道と国道7号や、温泉街とのアクセス向上に期待」とする。その一方で、「供用開始後、通過車両のスピードが上がっている。周辺はあつみ小学校の通学路になっており、ドライバーは一層の安全運転を」と呼び掛けている。
2021年(令和3年) 5月12日(水)付紙面より
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今年3月末で酒田市地域おこし協力隊を退任し、4月から大沢地区の集落支援員に就任した阿部彩人さん(40)=同市出身、下青沢在住=が19日(水)、同市の大沢コミュニティセンター内に、特産品開発やイベント企画を扱う合同会社COCOSATO(ココサト)を設立する。阿部さんは「庄内とつながりながら庄内を生かすことを目的に、地域にお金が落ちる仕組みをつくりたい」と抱負を話している。
協力隊として今まで培ってきた特産品の開発や動画・楽曲制作、イベント企画などを土台に、大沢地区を持続可能な超高齢化先進地域にすることを目指す。社名には「心のふるさと」「公益コミュニティの里」「ここからはじまる里」の意味を込めたという。
中心となる事業の一つ「里山の恵みココサト事業」では、▽大沢地区の特産品開発・加工▽同地区での里山体験▽キッチンカーでの移動販売―を展開。昨年開発した特産品の「大沢大文字米」や「大沢『大』文字じゅんさい」、「里山薬膳シロップ(ミョウガ味)」の販路拡大に努める。「里山エンターテインメント事業」では、▽動画・楽曲制作▽イベント企画・制作―として昨年から始めた「大沢『大文字』まづり」の開催や、「自然体験オンラインツアー」などの各種イベントを企画する。19日は新会社設立の神事を午前10時半から行い、引き続き阿部さんが作詞作曲した「大沢『大』文字音頭」に合わせ参加者全員で踊る予定。