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2022年(令和4年) 3月24日(木)付紙面より

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伝説のバーテンダー故・井山計一さん一周忌 「YUKIGUNI」特別版DVD制作へ

 戦後の日本が生んだ、世界的スタンダードカクテル「雪国」。創作者である酒田市生まれの故井山計一さん(2021年死去)の一周忌に向け、井山さんの半生に光を当てたドキュメンタリー映画「YUKIGUNI」の監督を務めた鶴岡市出身の映像作家・渡辺サトシさんが現在、同映画の特別版DVD制作を目指してクラウドファンディング(CF)を展開中。当初設定した目標金額は突破したが、引き続き支援を呼び掛けている。

 酒田生まれの井山さんは、仙台市などでバーテンダーとしての修業を積んだ。1955年に帰郷し、酒田市中町二丁目の通称・柳小路に喫茶店兼バー・ケルンを開業。ウオッカをベースとしホワイトキュラソー、ライムコーディアル、ミントチェリー、上白糖でつくる「雪国」は58年、壽屋(現・サントリー)主催の全日本ホームカクテルコンクールで日本一に輝いた。「伝説のバーテンダー」と称され、生涯にわたってシェーカーを振り続け、2020年には各分野の卓越した技能者を表彰する厚生労働省制定「現代の名工」に選ばれた。翌年5月10日に95歳で死去した。

 渡辺さんは11年、知人に勧められケルンを訪問し井山さんと出会った。スタンダードカクテルの創作者が現役でバーテンダーとして働いていることに感銘を受け、夜の酒場の文化とともに記録に残したいと思い立ち15年11月から18年3月まで、井山さんや家族、県外のバーテンダーらに取材して1時間27分の映像作品にまとめた。19年には全国の映画館で劇場公開された。

 映画では、井山さんの半生を振り返りながら、「雪国」誕生の経緯やその魅力、家族の絆、大火や空洞化など酒田の中心市街地の移り変わりを描いた。全編にわたって背景音楽にスタンダードジャズを取り入れ、ロマンチックな雰囲気の中に普遍的なテーマを散りばめた。ナレーションは俳優の小林薫さんが務めた。

 今回、映画本編の他、盛り込めなかった貴重なインタビューなど未公開の特典映像が入った特別版DVDをリリースするため、「伝説のバーテンダー井山計一さんの一周忌に向け、映画『YUKIGUNI』」の特別版DVDを全国に届けたい」と題して2月下旬からCFを開始。多くの支援が寄せられ、当初目標の200万円は早々に突破。現在はストレッチゴールとして300万円を設定し、4月5日(火)まで継続している。追加で集まった支援金を活用し、ジャズギタリスト・佐津間純さんのオリジナル楽曲を追加で本編に使用する他、井山さんの命日に合わせカクテルイベントを開催する予定。

 CFは1000円から受け付け。返礼品は支援額に応じて特別版DVDやパンフレット、Tシャツ、万年日めくりカレンダー、一日上映権などを用意している。CFサイト「MOTION GALLERY」で募集中。アドレスはhttps://motion-gallery.net/projects/yuki-guni_dvd

在りし日の井山さん。半生を追った映画の特別版DVD制作に向けCFが展開されている=2020年11月
在りし日の井山さん。半生を追った映画の特別版DVD制作に向けCFが展開されている=2020年11月


2022年(令和4年) 3月24日(木)付紙面より

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探究学習の成果 AI天気予想 生花とドライフラワー 天の川スポット… 合同セミナーで高め合う

 酒田東高校(大山慎一校長)理数探究科と鶴岡南高校(坂尾聡校長)理数科の2年生による合同セミナーが22日、鶴岡市のグランドエル・サンで開かれ、両校の生徒たちが1年間の探究学習の成果を発表し合った。

 文部科学省が指定するSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の一環。学校交流や理数分野への関心を高めることを目的に昨年から始めた。新型コロナウイルスの影響で茨城県つくば市での研修に代わり、地元の企業研修や普段の研究を発表し合うセミナーを行っている。18日には両校の生徒が海洋、農業、工業、バイオの4グループに分かれ、地元企業を見学した。

 この日は酒田東高から48人、鶴岡南高から40人が参加。発表会に先立ち、JAXA宇宙教育センターの野村健太さんがオンラインで「宇宙飛行士になるための力」と題して講演した。

 その後、両校の計40グループが▽AIを使った天気予想▽生花とドライフラワーの成分の違い▽接地の意識による足の速さの変化―などの研究成果をポスターで発表し合った。

 このうち、鶴岡市街地で天の川を見られるスポットについて研究したグループは、各観測地点の光害を調査。事業所数と空の暗さに相関関係があることが分かり「事業所から漏れ出る光を抑えたり終業時間を早めることで光害を抑えることができるのでは」とまとめた。生徒たちはメモを取りながら他校の発表に熱心に耳を傾け、積極的に質問。互いに学びを共有する様子が見られた。

 酒田東高の青木淑乃さん(16)は「日常の中で感じたことをテーマにした着眼点がすごいと感じた」、鶴岡南高の佐藤壮真さん(17)は「普段の勉強でも参考になる研究があった。自分たちとは違った視点で研究していて、貴重な体験だった」と相手校の研究を評価した。

ポスター発表で互いに学びを共有する生徒たち
ポスター発表で互いに学びを共有する生徒たち



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