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2023年(令和5年) 8月23日(水)付紙面より

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女性の視点で酒田の活性化策を

 酒田市長選は初の無投票で、前副市長の矢口明子氏(56)が初当選した。女性市長誕生も同市政上初。戦後の同市長選は保守対革新共闘、保守分裂選挙などで市を二分する選挙戦が続いたが、今回は過去に相対してきた市議会の二つの保守系会派が一本化した。人口減少対策と経済活動立て直しのため大同団結で難局を打開しようということであろう。

 しかし矢口氏の無投票当選には、積極的信任もあれば、今後4年間の市政を担う市長を決めるに当たって、選挙による選択をできなかったことを残念に感じた市民もいたのではないか。その意味で、矢口氏は市政を担う抱負と進め方を市民に説明しながら、市民に寄り添う姿勢に重きを置かねばならないことになる。

◇      ◇

 市民は選挙戦を通じて酒田の将来像への取り組みを聞くことができなかった。ただ、矢口氏が6月1日に立候補を表明した後、さまざまな場所で語ってきた政策では(1)若者の仕事創出(2)誰もが主役の市政(3)市民目線の行政―などを強調してきた。中でも矢口氏が取り組まなければならない喫緊の課題は人口減少に歯止めをかけること。

 酒田市は2005年、旧平田・松山・八幡と合併、新市人口は約11万8200人に増えたが、今年6月30日時点で9万6466人へと、約2万1700人も減った。人口減少は酒田市に限ったことではないが、人口は自治体の活力のバロメーターとも言われる。異常なスピードで人が減る原因を探り、その打開策を講じなければならない。矢口氏の政治力が問われるところだ。

 今回の市長選は、丸山至市長が2期限りで退任することに伴うもの。無投票は避けたいとの動きもあったとされるが、市議会保守系会派が一本化した布陣に、対抗馬を立てるのは難しかったようだ。矢口氏は東北公益文科大学教授から副市長に就任、7年間丸山市政を支えた。市政運営には精通しているとはいえ、市長に就いて自らの手で市政を担うとなれば大きな決断力を求められる場面もある。

◇      ◇

 JR酒田駅前の交流拠点施設「ミライニ」がオープンし、山居倉庫周辺の整備で観光振興に期待がかかる。一方、街の商業の核だった旧清水屋デパートが閉店したままで中心商店街の活力低下が続いている。市民が待ち望んでいるのは「中町の再びのにぎわい」。それによって魅力あるまちづくりにつながれば、若者の定着にもつながる。

 脱炭素社会に向けた洋上風力発電導入が検討され、海藻に二酸化炭素(CO2)を吸収させるブルーインフラ実証実験も酒田港で行われている。酒田市は「再生可能エネルギー循環都市」を目指している。その優位性を秘めた酒田市政を担う、初の女性市長への期待感も大きい。矢口氏には市民の声に耳を傾け、女性の視点に立ち、堅実と挑戦的な市政に向かってもらいたい。

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