2023年(令和5年) 8月23日(水)付紙面より
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酒田市は21日、いわゆる「ビッグデータ」を活用した先進的な取り組みの展開に向けて、東北公益文科大学(同市、神田直弥学長)、ホームセンター「チャンピオン」(同市、高橋芳秋社長)、ビッグデータプラットフォームを運営する「True Data」(トゥルー・データ、東京、米倉裕之社長)と「実データを用いた実践的データサイエンス教育に関する協定」を締結したと発表した。実際の購買データなどを活用して公益大生が学びを深めるなど、産学官連携による実践的教育の機会を創出することでデジタル人材の育成を図る。
市とトゥルー・データは2019年6月、地域活性化に関するパートナーシップ協定を結んだ。市産業振興まちづくりセンター「サンロク」が窓口となり、市内企業の販路開拓や人材育成などで支援を受けるとともに、市側は各種アンケートなどに関するオープンデータを提供し、大手企業の実証実験などに協力している。これに加え今回、産学官連携による地域デジタル人材の育成、DX(デジタル変革)による地域事業者の生産性向上を目指し、4者で協定を結んだ。市は丸山至市長が会長を務める市産業振興まちづくりセンター運営協議会として参画、全体の調整など担う。
締結は今月16日付。協定書によると、より実践的なデータサイエンス教育の実現に向け、トゥルー・データ、チャンピオン、サンロクは公益大に対して実データ、解決が必要な課題を提供。公益大は提供を受けた実データ、課題を教育活動に用いて分析を行うとともに結果を報告する、としている。
協定に基づき公益大では10月3日(火)、2、3年生を対象にした、神田学長によるプロジェクト型応用演習「POSデータで売り場改善」を開講する。履修学生は年末年始を除く来年2月8日までの間、チャンピオン酒田店の購買データ(ID―POS)、トゥルー・データの生活者ビッグデータを分析するとともに、同店を視察し、年末商戦における「掃除用品」の売り上げ増に向けた「売り場づくり」を提案。実証実験を行い、その効果を検証する。