2023年(令和5年) 11月16日(木)付紙面より
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「私のかいぜん発表会」が11日、鶴岡市のマリカ市民ホールで開かれ、地元企業・事業所の従業員たちがそれぞれの職場で取り組んだ業務改善について発表した。
事業所などで取り組んでいる改善活動を分かりやすく紹介するとともに、情報交換、交流の場を持とうと地元の製造業を中心とした企業の有志が実行委員会をつくり2008年から同市の庄内地域産業振興センターと共に開催し、鶴岡市が共催している。15回目の今回は庄内一円の32社から若手社員を中心に約180人が参加した。
発表会では▽松文産業鶴岡工場(鶴岡市)▽マーレエンジンコンポーネンツジャパン(同)▽オリエンタルモーター(同)▽松本ESテック(同)▽飯塚製作所(酒田市)▽斎藤農機製作所(同)▽ティービーアール(鶴岡市)―の7企業・事業所の担当者が各種改善事例を紹介した。
このうち自動車部品メーカーのマーレの担当者は、製品の表面処理工程で発生する薬剤の産廃処理費用コスト低減に向けた改善事例を紹介。約半年間にわたって工夫を重ね、希釈するなどの手法で社内の排水処理場での処理を実現して当初目標の約6割削減を上回る約8割削減を達成し、処理費を含む製造原価を4分の1ほどに抑制する成果を挙げた取り組みを報告した。このほか、工場内での重量物の運搬作業の自動化、生産ライン停滞の原因となる作業工程の見直しなどの改善策への挑戦と成果などが紹介された。
発表会に先立ち、庄内工業技術振興会会長でもある東北ハム(鶴岡市)の帯谷伸一社長が「庄内スマートテロワールで目指す持続可能な循環型農村経済圏の構築」と題して講演。発表会後には交流会が開かれ、各社の社員らが生産性向上に向け意見交換や情報交換を行った。