2023年(令和5年) 11月16日(木)付紙面より
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食の多様性を生かした旅行者の受け入れ拡大を探る「鶴岡ガストロノミーツーリズムサミット」が14日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で開かれた。地元のアル・ケッチァーノ・オーナーシェフの奥田政行さんと、世界的に活躍するシェフの杉浦仁志さん、ガストロノミーツーリズムが専門で平安女学院大国際観光学部教授の尾家建生さんが、講演とパネルディスカッションを通して「鶴岡らしいガストロノミーツーリズム」について語り合った。
鶴岡市が国内初のユネスコ食文化創造都市に加盟認定され、来年10周年を迎える。次のステップに向け、食と観光を結び付けた取り組みへのヒントを得る機会にしようと、DEGAM鶴岡ツーリズムビューローが主催し、食文化や観光に関わる関係者や生産者、料理人ら約90人が参加した。
杉浦さんはビーガン(完全菜食主義者)料理の第一人者として世界が注目するシェフ。基調講演で「出羽三山の精進料理は日本を代表するビーガン料理であり、鶴岡は日本のガストロノミーツーリズムの聖地。さらに発展するためビーガンを含むベジタリアンの世界基準を理解し、総合的な共創の中で強みを発信し、広める。世界が注目する都市になってほしい」と提言した。
3人による意見交換で尾家さんは「さまざまな立場の関係者が互いに連携して共創することが求められる。好きな時に好きな場所を訪れる『フードトレイル』のような外から人を引き付ける工夫が必要だ」、奥田さんは「私の経験から、食材の豊かさでは鶴岡は世界一で、世界から訪れる素材と豊富な文化財などの資源がそろっている。ユネスコ食文化創造都市の認定で、鶴岡は希望のある街に変わった。食を目的に世界の人々が旅をする目的地にしていきたい」と語った。