2023年(令和5年) 12月9日(土)付紙面より
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鶴岡信用金庫(本店・鶴岡市馬場町、佐藤祐司理事長)の新たな異業種交流研修制度「アナザー・ジョブ・トレーニング」(AJT)がスタートした。取引先企業に1~3日職員を派遣し、業務を経験することでキャリア形成やチャレンジ意欲の醸成を図るもの。6日は鶴岡市安丹のトータルクリーニングサービスたこい(蛸井真一社長)で、20代男性職員が洗濯物の集配や乾燥、仕上げなど一連の作業に従事した。
AJT制度は20~40代の職員を対象に、原則エントリー制で行われる。派遣先の企業は、従業員への優遇サービスなどを提供する「ライフサポート協定」を鶴岡信金と締結した上で、職員の受け入れを承諾することで研修開始となる。職員は1人当たり1~3日、派遣先の業務に就き“現場”の理解を深めるとともに、派遣先の従業員と交流を深める。同制度にチャレンジできるのは1年度中に1人1回まで。
この日、入庫7年目で鶴岡信金大山支店勤務の成澤嘉孝さん(29)が、午前8時半から派遣先のトータルクリーニングサービスたこいで業務を開始。同社の車に同乗し鶴岡市内で洗濯物を集配。同社に戻ると分別や洗濯、乾燥、仕上げなど一連の作業を体験した。
成澤さんは「思っていたより肉体労働でいろいろな作業がある。1日だけだが普段の金融業務と全く違う体験をすることで、広い視野を持てるようになると感じている。今後、信金職員としてさまざまな企業を訪れる際、現場の従業員の負担を雇用者に伝えながら、いろいろ提案したい」と話していた。
また、同社の佐藤光工場長(35)は「業務は多いが人手不足の業界。特に男手があるのは助かる。1日だけだが一生懸命頑張ってくれている」と成澤さんの働きぶりを評価していた。
前日の5日も別の20代男性職員が同社で研修を行っており、今月12日には酒田市内の企業で20代女性職員が行う予定。