2024年(令和6年) 5月1日(水)付紙面より
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酒田市黒森の黒森日枝神社で29日、春の例大祭が行われ、来年2月の黒森歌舞伎正月公演で上演される演目の登場人物に扮(ふん)した地元・黒森小児童が山車に乗り込み、地区内を触れ回った。
例大祭の渡御行列として毎年行われている。来年の正月公演の演目は、「大坂冬の陣」を基に豊臣家滅亡の悲劇を鎌倉時代に置き換えて描いた「近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)」。この日は「盛綱(もりつな)陣屋の場」を再現、五十嵐玲人(れいと)君(10)=5年=が父・佐々木盛綱、五十嵐千晟(ちあき)君(7)=2年=がその子・佐々木小三郎にそれぞれ、歌舞伎役者らしい隈(くま)取りを施し、衣装を身に着けて扮し、神妙な面持ちで車の荷台に座った。
山車は正午ごろに同神社を出発。はやし方が太鼓や鐘を打ち鳴らし、福祉施設や公民館の前、同神社演舞場など6カ所では若手役者が「白浪五人男」の名乗り場面を披露した。汗ばむような陽気に誘われ、沿道に繰り出した大勢の祭り客からは「かっこいいぞ」と声援が飛び、地区内は熱気に包まれた。