2024年(令和6年) 5月4日(土)付紙面より
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酒田を代表する豪商・本間家に代々伝わる歴史的史料を紹介する企画展「本間家の逸品」が、酒田市御成町の本間美術館(田中章夫館長)で開かれている。
酒田湊の繁栄に伴って江戸時代、商業・金融・地主といった多彩な事業を展開し、多くの財を成した本間家。酒田の経済をはじめ文化、教育、福祉など多方面にわたる社会貢献事業に私財を投じ、多くの功績を残した。
本間家が藩主や政府の要人から拝領した歴史的史料などを多く収蔵する同美術館は今回、市民や観光客から本間家についてより深く知ってもらおうと、これらを紹介する展示会を企画。書跡、工芸、絵画、歴史資料の4分野に分け、選りすぐりの逸品計44点が並ぶ。
本間家7代当主・光輝翁が1875年、旧庄内藩士と共に薩摩の西郷南洲翁を訪ねた際、揮毫(きごう)してもらった書軸「七言絶句『三宵連雨(さんしょうれんう)』」(市指定有形文化財)、本間家中興の祖と呼ばれる3代当主・光丘翁の愛蔵品として伝わる滋賀県の比叡山にある全国の日吉、日枝、山王神社の総本山・日吉大社を描いた「江州日吉山王景図(ごうしゅうひよしさんのうけいず)」などが解説とともに並び、来館者は興味深そうに見入っていた。
展示は28日(火)まで。開館時間は午前9時―午後5時(入館受け付けは午後4時半まで)。入館料は一般1100円、高・大学生500円、小・中学生無料で国指定名勝「鶴舞園(本間家別邸庭園)」と清遠閣も見ることができる。