2024年(令和6年) 5月16日(木)付紙面より
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鶴岡市羽黒町川代の月山高原牧場で14日、黒毛和牛の放牧が行われた。爽やかな天候の下、牛たちは牛舎から広々とした牧場に放された開放感の中、草地に青々と生育した牧草をはんでいた。
同牧場は標高約350メートルの高原にあり、広さ約100ヘクタール。1977(昭和52)年から庄内広域育成牧場として繁殖牛を中心に放牧が行われ、月山畜産振興公社が管理・運営する。例年5月から10月末まで庄内一円の飼育農家から預かった牛を放牧。この日は各地の農家がトラックで次々と牛を運んできた。荷台から下ろされた牛は体重や体高などをチェック。放牧エリアごとに分けられた後、牛たちは真っ青な空に残雪が輝く月山を背景にした広い牧場に駆け出していった。
同公社によると、猛暑だった昨年は一時的に牧草の生育不良が見られたが、高原の冷涼な環境もあって飲み水を含め問題はなく、放牧された牛たちの期間中の平均体重は60キロ超、中には最大で120キロ増えた牛もいたという。今年は約30戸の農家から黒毛和牛98頭、乳牛10頭のほか、羽黒地域の農家から綿羊約60頭が放牧される予定。広い牧場でのんびりと草をはむ牛たちを見に訪れる家族連れも多く、月山高原の観光資源ともなっている。