2023年(令和5年) 6月29日(木)付紙面より
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酒田市の酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」内のエンガワラウンジで24日夕、チェンバロ・オルガン奏者の黒木香乃さん(同市)による「光の湊・黒木香乃イブニングコンサート」が開かれ、チェンバロ演奏を通して市民らがクラシックに親しんだ。
市民や観光で訪れた人に楽しんでもらえる場を提供しようと、昨年7月から毎月最終土曜日に開催している「光の湊イブニングコンサート」の一環。今回は酒田キリスト教会でのオルガン礼拝をはじめ、県内外で通奏低音奏者として活躍している黒木さんが「はじめてのチェンバロ」をテーマにクラシックを演奏した。
この日はステージを聴きに多くの人がラウンジに詰め掛けた。見た目はピアノに似ているが、チェンバロは爪で弦をはじく撥弦(はつげん)楽器のため、音の強弱がつかず繊細な音色が特徴。黒木さんはクリスティアン・ペツォルト「メヌエット」や、ヨハン・セバスティアン・バッハの次男・カール・フィリップ・エマヌエル・バッハが少年の頃に作曲したとされる「マーチ」など、曲や楽器の解説を交えながらクラシックを披露。ピアノとはまた違った優しく柔らかなチェンバロの響きに、聴衆はうっとりと聞きほれていた。
演奏終了後、楽器に実際に触れる時間が設けられ、「ハヤシチェンバロ製作所」(仙台市泉区)の林裕希さんがチェンバロについて詳しく解説。クラシック愛好者や子どもたちは興味津々で楽器に近づき、「きらきら星」を弾いて体験するなど、チェンバロに触れて親しんでいた。