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2024年(令和6年) 3月20日(水)付紙面より

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県立致道館中学・高校 校歌を発表 藩校の伝統受け継ぎ風景重ねる 詞・曲・編いずれも鶴南高OB 開校式で披露

 県教育委員会は18日、鶴岡南、鶴岡北の両高校を統合し、新たにつくる県立中学校を併設して4月に鶴岡市に開校する中高一貫校「県立致道館中学校・高等学校」の校歌を発表した。作詞は鶴岡南高OBで同市在住の直木賞作家・佐藤賢一さん(56)が手掛けた。庄内藩校致道館から受け継がれてきた伝統と致道館中学・高校の基本理念に、鶴岡の四季の風景を重ね合わせて詞にしたという。校歌は4月10日の開校式で披露される。

 作曲は音楽・情報科学研究者で東京都立大学術情報基盤センター准教授の安藤大地さん(45)=鶴岡市出身、東京都在住、編曲はプロピアニストの佐藤昌仁さん(35)=三川町出身、埼玉県在住=が担当。いずれも鶴岡南高OBで、県教委の依頼を受け、年代が異なる3人が手掛けた。

 作詞の佐藤さんは県教委を通したコメントで、致道館中学・高校の基本理念「自主自立」「新しい価値の創造」「社会的使命の遂行」は、藩校致道館から受け継がれてきた伝統だとし、「一番では鶴岡の春の、二番では夏と秋の、三番では冬の風景に重ねながら、詞にした。用いた漢文の響きも、また似つかわしい気がして」と述べている。

 三番にある「五色の心」は校章を、苦労は語らずとも天は知っているといった意味の「気節凌霜天地知る」は、戊辰戦争後に松ケ岡開墾に従事した旧庄内藩士の開墾士を激励するために西郷隆盛が贈った言葉を基にしている。

 作曲の安藤さんは「歌詞の精神にのっとり、古くを思い起こさせつつ新しい風を吹き込むような旋律とした」、編曲の佐藤さんは「この校歌がどんな時でも心の支えとなるよう願いながら編曲した」とそれぞれコメントしている。


致道館中学校・高等学校 校歌
作詞 佐藤賢一
作曲 安藤大地
編曲 佐藤昌仁


古城(こじょう)を仰ぐ 水壕(すいごう)の傍(はた)
舞いふる桜花(おうか) 集う若人(わこうど)
なお卓乎(たっこ)として 自ずから立ち
学びをもって 道を致す
ああ 致道館 我が学舎


緑うるわし 恵みの田畑
穀糧(こくりょう)たりて 春秋(しゅんじゅう)に富む
門下少壮 有為(うい)にて倦(う)まず
三代(さんだい)とも倫(みち) 明らかに
ああ 致道館 我が学舎


五色(ごしき)の心 ひるがえる旗
いつ越えゆかん 白き岳々(やまやま)
博学篤志(はくがくとくし) 切に世に問う
気節凌霜(きせつりょうそう) 天地知る
ああ 致道館 我が学舎


2024年(令和6年) 3月20日(水)付紙面より

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致道博物館企画展「庄内藩と飛島」 江戸時代の歴史に焦点当て紹介

 県内唯一の有人離島・飛島の江戸時代の歴史に焦点を当てた企画展「庄内藩と飛島」が、鶴岡市の致道博物館で開かれている。北前船の寄港地としての機能、島内で起きた境界争い、生活文化などを古文書や民俗資料で紹介している。

 地域の歴史を古文書などの資料から読み解き、さまざまな切り口で紹介する「歴史の扉」シリーズの5回目として企画し、同館所蔵や個人所有などの歴史資料約50点を展示した。

 江戸時代に飛島を領有していた庄内藩は毎年3月から9月の間、島役人2人を派遣して年貢(スルメ)や北前船の入港税を徴収し、島内で問題があれば解決に当たっていた。

 島には勝浦、浦(現在の中村)、法木の3カ村があり、漁場を巡ってたびたび境界争いが起きていた。展示品の中には、庄内藩の役人が絵図を基に境目を裁定した資料があり、島内の村落間の境目に引いた線の延長線上の海域をそれぞれの村の漁場の境目としたことが分かる。飛島からはスルメ10万枚が年貢として納められ、庄内藩主酒井家11代・忠発(ただあき)公が幕府にスルメ1箱を献上した際の目録の写しも展示された。

 最上家が統治していた江戸時代初期、島に海獣のトドの姿が見られたためか、飛島を「とど島」と表記した古文書、江戸末期に英国船が着船したことを伝える絵図入りの「御用控」、幕末に飛島沖で沈没した幕府の軍艦「長崎丸二番」に積載され、海底から引き揚げられた英国製の大皿、飛島を背景に北前船を描いた珍しい構図の風景画などもある。

 縄文時代の土器などの考古資料、致道博物館による1969(昭和44)年の発掘調査で、島内にある洞窟の通称「テキ穴」から見つかった平安時代のものとみられる人骨なども展示され、飛島にまつわる多様な歴史を掘り下げて紹介している。

 会期は4月23日(火)まで。同13日(土)には展覧会場で、担当学芸員によるギャラリー講座が開かれる。

江戸時代を中心にした古文書や民俗資料などで飛島の風俗などを紹介する企画展
江戸時代を中心にした古文書や民俗資料などで飛島の風俗などを紹介する企画展


2024年(令和6年) 3月20日(水)付紙面より

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鶴岡市街地に春を告げ めでたい獅子舞 氏子巡り 神明町の春日神社

 鶴岡市神明町の春日神社(齋藤元宮司)に伝わる獅子舞の氏子巡りが18日に始まった。冬が戻ってきたような寒風が吹く中、軽快なはやしが響き渡り、めでたい獅子舞とともに間もなく訪れる春を市街地に告げた。

 同神社の獅子舞は市内で唯一の「女獅子」と知られ、お歯黒と角の生えた頭、優雅な踊りなどが特徴となっている。「春を告げる獅子舞」とも呼ばれ、毎年3月18日に氏子巡りが始まる。今年は26日までの9日間で約400軒を回るという。

 初日の18日は馬場町など市街地を巡った。このうち鶴岡信用金庫(佐藤祐司理事長)本店営業部では、獅子保存会の一行6人が獅子舞を奉納。笛や太鼓の音が響く中、屋内で来店者の健康長寿や諸願成就、同信金の社業発展などを祈願した。

 来店した同市内の60代男性は「春日神社の獅子舞を見るのは初めて。ご利益がありそうなのでかんでもらおうと思ったが、遠慮してしまった」と話していた。

 この日は時折日差しが見えたものの冷たい風が吹き、日中でも気温は3、4度と冬に戻ったような天候となったが、めでたい獅子舞とおはやしで街角に一足早い春の訪れを届けていた。

来店者などがご利益を授かろうと、鶴岡市内では珍しい女獅子からかんでもらった=18日
来店者などがご利益を授かろうと、鶴岡市内では珍しい女獅子からかんでもらった=18日


2024年(令和6年) 3月20日(水)付紙面より

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「厄」や「災い」酒に封じ込め 中村橋吾さん特別公演 善寳寺辰歳御縁年

 鶴岡市出身の歌舞伎役者・中村橋吾さん(東京都)を招いた「特別公演」が17日、鶴岡市下川の善寳寺で行われた。

 龍神様を祭る同寺の「辰歳(たつどし)御縁年」を記念して中村さんを招いた。本堂には約170人のファンが参加。舞台に立った中村さんは世界中の「厄」や「災い」を酒に封じ込めるオリジナルの歌舞伎を3曲披露した。最後は善寳寺の僧侶とコラボレーションし、お経が唱えられる中でエネルギッシュなステージを繰り広げ集まった人たちから大きな拍手が送られた。

 中村さんは「ウクライナ侵攻やパレスチナ問題など世界中で紛争が起きる中、平和の尊さを願った。また機会があれば故郷の鶴岡で公演したい」と話した。

 善寳寺では「辰歳記念」として来月15日から、祈祷の後、「奥の院龍王殿」を参詣する「辰歳特別拝登」を行う。祈祷料は2000円。問い合わせは善寳寺=電0235(33)3033=へ。

善寳寺の本堂でエネルギッシュな舞台を披露する中村橋吾さん
善寳寺の本堂でエネルギッシュな舞台を披露する中村橋吾さん



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