文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


ページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2021年(令和3年) 11月13日(土)付け紙面より

車椅子 ユーチューバー 渋谷さん 手作り絵本出版

 「車椅子ユーチューバー」として障害者の置かれた実態や課題を発信している鶴岡市田麦俣の渋谷真子さん(30)が、自身の体験を基にした手作り絵本「1日1日をハッピーに」を自費出版し11日、子どもたちの障害者理解に生かしてほしいと市に約130冊を寄贈した。今月末までに庄内全5市町に計約250冊を寄贈する。

 渋谷さんは、鶴岡市でも最も山間の集落の一つ・田麦俣在住。実家は茅葺き屋根で、父親は茅葺き屋根葺き職人。その風景を守っていきたいと会社員を辞め、2018年春から見習い職人として父親の下で働き始めた。狩猟免許を取って熊捕りにも行き、自称「現代のもののけ姫」として自然と共生する田舎暮らしの魅力を発信。しかし、その矢先の同年7月、修繕中の屋根から転落して脊髄を損傷。下半身まひとなり、以来、車椅子ユーザーとなった。

 しかし、「障害者=不幸ではない」と奮起し、障害者の恋愛や性、排せつ事情などを赤裸々に動画配信サイト「ユーチューブ」で配信。話題を呼び、中央のテレビ番組にも数多く出演した。今年6月には東京2020オリンピックの聖火ランナーとして鶴岡市内を車椅子で疾走するなど活躍。今月中にも社団法人を設立し、再生医療の普及や青少年のスポーツ障害対策、eスポーツを推進していく準備も進めている。

 絵本の制作は約2年前から構想していた。「健常者との間でさまざまな壁を感じる中、大人になってから固定概念を覆すのは難しい。子どもの頃から周りに車椅子の人がいるのが当たり前という環境をつくっていきたいと思った」という。

 ストーリーは自分で考えた。「わたしは走ったりとんだりすることができません。どうしてって? わたしの脚は車いすだからです」で始まり、事故で障害を負い、「できないと思ったらできない、できると思ったらできる」と果敢にリハビリに挑んで退院。「自分に甘えないため」「あえて不自由を残しながら生活することを決め」て生活。「一歩踏み出す勇気さえあれば」「楽しいことが広がっているはず」と希望を胸に、「動かないのは脚だけなの」「そんなことじゃ止まれない」と前進していく決意をしたためた。

 イラストは、精神疾患の経験を全国で講演しているいずみげんたろうさん(栃木県宇都宮市)が担当。脊椎損傷の仲間に翻訳してもらい、英文も併記した。A4判、36ページの絵本に仕上げ、300部を制作。経費約120万円のうち約90万円は、今春に行ったクラウドファンディングで集めた。

 この日、鶴岡市役所で行われた贈呈式で、渋谷さんは「歩ける、歩けないにかかわらず、自分のやりたいことを、周りの人と一緒にやっていく大切さを訴えたかった」と、皆川治市長と市教育委員会の本間明教育部長に絵本を贈呈。皆川市長は「障害の有無に関係なく暮らしやすい鶴岡にしていきたい」と謝辞を述べた。

 同市への寄贈分は127冊で、市内の全小中学校と保育園、幼稚園、学童保育所などに配布する。他の4市町には全小中学校分を寄贈するという。

手作り絵本を披露する渋谷さん
手作り絵本を披露する渋谷さん



ページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field