2025年(令和7年) 5月25日(日)付紙面より
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学問の神様・菅原道真公を祭る鶴岡市の鶴岡天満宮の祭礼・天神祭が24日、同天満宮での大絵馬奉納で始まった。参拝に訪れた市民に化けものが地酒やジュースの飲み物を振る舞い、独特の祭りの光景が広がった。本祭の25日は天満宮で天狗舞や獅子舞の奉納が行われ、呼び物のパレードは午後2時にスタートする。
天神祭は庄内三大祭りの一つに数えられ、長じゅばん姿に編み笠(がさ)と手拭いで顔を隠した市民が、無言で酒を振る舞う習わしから「みちのくの奇祭・化けもの祭り」とも呼ばれる。化けもの姿で3年間、誰にも本人と知られずに天満宮にお参りできると、願いがかなうと言い伝えられている。
パレードに参加する縦約1・2メートル、横約2・4メートルの大絵馬の奉納には、関係者約30人が参列。商店街や学区、有志グループが道真公やツルを描いたものや、ビートルズの4人をモチーフにした化けものなど8枚の大絵馬が社殿前に並び、神事に続いて手踊りが披露された。化けものも加わり、参列者やお参りの市民に早速、飲み物を振る舞った。
24日は、鶴岡公園で175店出店予定の露店も営業を始め、夕方から夜にかけては天満宮に通じる県道(羽黒街道)約180メートル区間を歩行者天国にしてキッチンカー出店やステージイベントなどの宵祭。25日のパレードには市民約2400人が参加を予定し、市中央児童館と鶴岡駅前の2カ所から出発して鶴岡公園まで練り歩くほか、天満宮周辺の県道にはキッチンカーが集結する。天神祭は26日までで、鶴岡公園への露店出店がある。
2025年(令和7年) 5月25日(日)付紙面より
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鶴岡信用金庫(本店・鶴岡市馬場町、佐藤祐司理事長)の創立100周年記念式典が23日、鶴岡市のグランドエル・サンで行われた。同信金総代をはじめ、東北圏や県内各地の信用金庫や金融機関、取引先関係者、歴代役員などが出席し、大きな節目と新たな100年の出発を盛大に祝った。
記念式典には約200人が出席。初めに佐藤理事長が「当金庫は設立以来、多くの皆さまから多大な支援と協力を賜り、歴代役職員の尽力により100年の歴史を積み重ねることができた。その礎は相互扶助の精神に基づく郷土組織金融機関として、地域社会の繁栄に資する創業の理念。その精神を受け継ぎ、第22次経営強化推進3カ年計画の初年度となった昨年、『とことん庄内~全力共創で拓く次の100年~』を基本テーマに掲げた。次の100年に向け、地域金融機関としてとことん使命や役割を果たしていきたい」と式辞を述べた。
財務省東北財務局の大田原和房局長(代読)や日本銀行仙台支店の岡山和裕支店長など来賓祝辞に続き、鶴岡信金が鶴岡、酒田、庄内、三川、遊佐の庄内5市町へ総額3500万円を寄贈。
佐藤理事長が「子育て世代や学生の支援など、各自治体の人材育成事業に役立ててほしい」と各首長へ贈呈目録を手渡した。
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鶴岡信用金庫は1926(大正15)年11月、産業組合法による鶴岡庶民信用組合として鶴岡市五日町に設立。51(昭和26)年10月、信用金庫法により鶴岡信用金庫へ改組した。2008年に酒田信用金庫と合併し、営業区域を庄内一円に拡大。現在は11拠点13店舗を展開し、新潟県村上市の一部まで営業エリアを拡大している。
2025年(令和7年) 5月25日(日)付紙面より
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庄内浜の初夏を代表する味覚、天然イワガキの素潜り漁が解禁され、遊佐町の吹浦漁港で23日、初水揚げされた。1日当たりの漁獲リミット約60キロのイワガキを載せた漁船が午前10時ごろから相次いで帰港。漁師たちは翌朝の競りに備え、びっしりと付着した海藻や余分な殻などをナタや包丁を振るって取り除き商品に仕上げる「牡蠣(かき)たたき」と呼ぶ作業に精を出した。
県漁協は、イワガキによる食中毒の発生を防ぐため、採捕海域ごとに水質や細菌数などの検査を実施し、所定の基準をクリアした海域から出荷させている。今季は昨季より2日早い21日、吹浦、酒田両海域の採捕を解禁した。
海底から湧き出すミネラルたっぷりな鳥海山の伏流水が混じった海水で育つ吹浦のイワガキは、大ぶりで濃厚な味とぷりぷりとした食感が好評でブランド化しており、水揚げを待ちわびる“ファン”が多い。
同漁港所属の漁師たちは海水の濁りが落ち着くなど海況の好転を待って23日午前7時過ぎに初出漁。同漁港の外洋に面する第三突堤で素潜り漁を繰り広げた。
同町菅里の漁業、栄田俊輔さん(42)は、所有する第2春日丸から海に潜っては浮上を繰り返し3時間ほど操業。戻ると岸壁に山のように積み上げ、仲間と牡蠣たたきを行った。試食させてもらうと、クリーミーな食感とともに海そのものの味が口いっぱいに広がった。
漁はイワガキの産卵が始まる8月中旬ごろまで続く。
2025年(令和7年) 5月25日(日)付紙面より
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「酒田緑の少年団」の入団式が24日、酒田市役所で行われた。1976年の設立から50期の節目となる本年度の入団者は13人。全団員の名前が読み上げられ、新入団員には団の帽子が授与された。
同少年団は、市内の児童から緑を愛し、緑を守り育てる心を養ってもらおうと76年に結成。市緑の少年団運営協議会(会長・矢口明子市長)が企画・運営に当たっており、小学4―6年の市内の児童が年間を通して自然に関するさまざまな活動を繰り広げる。
入団式では大勢の保護者が見守る中、澤田健児農林水産部長が新入団員一人一人に帽子を贈り、「これまで多くの子どもたちが自然に触れ合いながら楽しく活動してきた。自然を大切に思う気持ち、仲間との絆は世代を超えて受け継がれる。自然を守るリーダとして誇りを持ち活動してください」と激励した。新入団の守屋柚葵(ゆずき)君(11)=若浜小6年=は「樹木が大好き。活動を通し、いろいろな植物について知識を深めたい」と話した。
引き続き団員たちは同市の鳥海山荘にバスで移動し、トレッキングなど体験した。団員は来年3月の卒団式まで計7回、植樹・雪山体験など緑に親しむ活動を行うほか、他の少年団と交流を深める。