2025年(令和7年) 5月17日(土)付紙面より
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庄内町の家根合地区で15日、「メダカの里米田植え体験」が行われ、余目第一小学校(本堂尚樹校長、児童194人)の4年生がはえぬきの苗を手植えした。
同地区では1999年にほ場整備が始まった際、当時の同小5年生が用水路にすむメダカ(絶滅危惧種)の救出活動を行い、地元住民や町、県を巻き込んだ保全活動のきっかけとなった。その後、地区内に保全池が作られ、2003年には地元農家らがNPO法人「家根合生態系保全活動センター」(大井庄一理事長)を設立し、池を管理。07年以降は同NPOが池で増えたメダカを稲の育成期間中に田んぼに戻し「メダカがすめる田んぼで安全安心なコメづくり」の取り組みを開始。「家根合のメダカ米」としてPRしている。
田植え体験は子どもたちから自然に親しみながら、コメ作りなどについて学んでもらおうと、同小の児童を招き、同NPOなどが中心となって行っている。
この日は4年生27人と県庄内総合支庁、最上川土地改良区、JA庄内たがわ、町から関係者計約30人が参加。はじめに児童らは立谷沢川から取水した水が北楯大堰を通って同地区まで送られていることや米作りのスケジュールなどの説明を受けた後、同NPOメンバーの農業、佐藤祐さん(60)の水田約20アールのうち、約2アールで田植え体験。歓声を上げながら慣れない足取りで田んぼに入り、泥だらけになりながら約30分にわたって丁寧に手植えをした。参加した高橋結彩さん(9)は「初めて田んぼに入ったけど、ぬるぬるして気持ちよかった。お米ができたらおにぎりにして食べたい」、大井理事長は「自然や田植えを通して米作りやメダカなどに関心を持ってもらえれば。今後も続けていきたい」とそれぞれ話していた。
来月中旬には保全池からメダカを田に戻す作業を行う予定という。