2017年(平成29年) 8月27日(日)付紙面より
ツイート
出羽三山神社(宮野直生宮司)の山伏修行「秋の峰」が26日、出羽三山を舞台に始まった。国内外の149人が「擬死再生」の荒行に挑んでいる。
同神社の山伏修行は、出羽三山の開祖・蜂子皇子による羽黒古修験道を受け継ぐとされる。「秋の峰」は羽黒修験の四季の峰のうち、一般に公開された最大級のもの。今年は国内は北は北海道から南は福岡県まで、オーストラリアやオランダ、ブラジルなど海外出身の4人を含め、18―80歳の男性が入峰した。
初日の26日、紺色の市松模様の上着(摺り)など山伏装束に身を包んだ一行は、正午すぎに手向地区の下宿(明光院)を出発。途中の峰薬師神社で笈(おい)に新しい生命を宿すとされる儀式「梵天投じ」を行った後、随神門から石段を登り、拝所で唱え事をしながら羽黒山頂を目指した。
この日は青空が広がり風も吹く天気に恵まれ、沿道には峰入りした人の家族や地元住民が見守り、これから本格化する修行の無事に思いを込めた。
修行は来月1日まで7日間、羽黒山中腹の吹越籠堂に寝泊まりし、一汁一菜の食事や月山など山々を巡る「山駆け」、トウガラシをいぶした煙の中に居続ける「南蛮いぶし」などの行に挑む。
一方、羽黒山荒澤寺正善院(羽黒町手向・島津弘海住職)の「秋の峰」は24日から行われている。