2018年(平成30年) 12月20日(木)付紙面より
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鶴岡市黒川地区に伝わる黒川能(国指定重要無形民俗文化財)を暗闇のともしびの中で鑑賞する「黒川・蝋燭(ろうそく)能」を主催する黒川・蝋燭能実行委員会はこのほど、これまで2月最終土曜日に鶴岡市黒川の春日神社で開催してきた蝋燭能を、来年から10月開催に変更することを決めた。
王祇祭(2月1、2日)と同月の冬場に開催してきたが、以前から参加者から「鑑賞しやすい季節に」との要望が多くあり、王祇祭に近い開催スケジュールは運営や能役者の負担も大きいことから開催日の変更を検討してきた。
これまでの日程を、稲刈りが一段落する10月(第2日曜日予定)に変更し、来年から実施することで地元の黒川地区農業村落振興会の了承を得た。開催内容などは今後詰めていくという。
蝋燭能は、「黒川能は黒川で」を合言葉に、より多くの人に祭りと能を育んだ地域の文化や人情、風情などを体験してもらう手作りイベントとして、地元の中堅・若手が中心となり開催。今年2月で25回を数えた。
春日神社社殿の能舞台をろうそくの炎がほのかに照らす中、上座、下座の両演目を上演し、夕方からは近くの王祇会館で交流会。王祇祭で食される名物の凍(し)み豆腐と季節の郷土料理や地酒を提供しながら、能役者や実行委員会との交流の場を設けている。