2024年(令和6年) 3月10日(日)付紙面より
ツイート
鶴岡市板井川の水無川(一級河川)で8日、近くの櫛引南小1、2年生や地域住民によるサケの稚魚放流事業が行われた。約24万匹の稚魚が子どもたちの「元気で帰ってきてね」の声を受けて水中へ身を躍らせた。
この日は櫛引南小の1、2年生26人と市、枡川鮭漁業生産組合(遊佐町)の組合員、地元住民などが放流に参加。開会セレモニーで市職員から「これから放流する稚魚は、枡川鮭漁業生産組合の皆さんが親サケを捕獲し採取した卵をふ化して育てた。10万匹を放流して生き残るのは700匹ほど。さらに川を上る前に海で定置網に掛かるため、川に帰ってくるのは400匹まで減る」と説明を受けた。
その後、水無川に架かる上板井川橋の上から約5メートル下の水面に向けてブルーシートで作った斜面にホースで水を流しながら、児童たちが「元気で帰ってきてね」と声を掛けバケツに入った稚魚を放流した。2年の宮城伶さん(8)は「稚魚は小さくてかわいかった。頑張って生き残り、川に帰ってきてほしいと願いながら放流した」と話していた。
鶴岡市は赤川流域でのサケ資源の増殖に向け、地元住民や枡川鮭漁業生産組合、県などの協力を得て稚魚の放流調査事業を行っている。水無川での放流は2021年度から行われており今回で3回目。3~4年後のサケ遡上(そじょう)状況の確認や親サケ採捕施設(やな場)設置場所の検討など今後の赤川流域のサケ増殖事業に加え、サケを活用した地域活性化事業につなげていく。
今回の放流事業は同じ櫛引地域の馬渡川でも行われ、水無川と合わせて約30万匹が両川に放された。